Switch 2のメモリはどこの製品?任天堂を苦しめる「約1,000億円のコスト増」を深掘り

企業深掘

こんにちは、まろぴーです🐣🌸

任天堂と株式会社ポケモンの関係を調べていると、任天堂の決算資料で気になる一文を見つけました。

メモリを中心とする部材価格の高騰や、関税措置などに伴う原価への影響として、約1,000億円を織り込んでいます。

🐣「い、1,000億円……!?」

Switch 2は好調に売れています。

ポケモンやマリオなど、これから本体をさらに普及させてくれそうな強力なタイトルもあります。

しかし、いくら本体が売れても、作るための部品が高くなれば利益は伸びにくくなります。

今回は、

  • Switch 2にはどんなメモリが使われているのか
  • どこのメーカーの製品なのか
  • メモリ価格はどの程度上昇しているのか
  • なぜAIブームでゲーム機まで高くなるのか
  • メモリ価格はいつ落ち着くのか
  • 任天堂の利益にどんな影響があるのか

このあたりを、投資家目線で深掘りします。

ポケモンが任天堂の利益につながる仕組みについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

【関連記事】ポケモンが売れると任天堂はどう儲かる?意外と知らない「株式会社ポケモン」との関係

任天堂が織り込んだ「約1,000億円」の正体

任天堂は2027年3月期の業績予想に、約1,000億円の原価上昇影響を織り込みました。

ただし、この1,000億円がすべてメモリ価格の上昇によるものではありません。

任天堂の説明は、

  • メモリを中心とする部材価格の高騰
  • 米国などの関税措置
  • その他の原価上昇

を合わせた影響額です。

メモリだけで何億円の負担になるのか、詳しい内訳は開示されていません。

それでも任天堂が、数ある部品の中からわざわざ**「メモリを中心とする」**と説明したことは重要です。

現在の任天堂にとって、メモリ価格の上昇が無視できない負担になっていると考えられます。任天堂「2026年3月期 決算説明資料」

🐣「Switch 2が売れても、部品が高すぎると利益が削られちゃうんだね……」

Switch 2には2種類のメモリが使われている

ひとことで「メモリ」といっても、Switch 2では主に2種類の製品が使われています。

種類Switch 2での役割搭載内容
DRAMゲームを動かすための作業領域12GB LPDDR5X
NAND型フラッシュメモリゲームやセーブデータの保存256GB UFS 3.1

DRAMはゲームを動かす作業机

DRAMは、ゲームを動かしている間に必要なデータを一時的に置く場所です。

よく「作業机」に例えられます。

机が広いほど多くの作業を同時に進めやすくなり、広いフィールドや細かな映像、複数のキャラクターなどを扱いやすくなります。

初代Nintendo Switchのメモリは4GBでした。

Switch 2では12GBとなり、容量は3倍に増えています。

🐣「性能アップはうれしい。でも値上がりしたときの負担も大きくなる!」

NANDはゲームを保存する本棚

もうひとつが、ゲームやセーブデータを保存するNAND型フラッシュメモリです。

こちらは「本棚」のような存在です。

初代Switchの内蔵ストレージは32GB、Nintendo Switch有機ELモデルは64GBでした。

Switch 2では一気に256GBまで増えています。

ゲームデータが大きくなったため必要な進化ですが、NAND価格が上昇した場合には、初代Switchより大きな影響を受けます。

Switch 2のメモリはどこのメーカー製?

では、Switch 2にはどのメーカーのメモリが使われているのでしょうか。

DRAMではMicron製品を確認

修理情報サイトiFixitが分解したSwitch 2からは、Micron製の6GB LPDDR5Xを2枚、合計12GB搭載していることが確認されています。iFixit「Nintendo Switch 2 Chip ID」

Micronは、Samsung Electronics、SK hynixと並ぶ世界的なメモリメーカーです。

AIサーバー向けのHBMから、パソコン、スマートフォン、ゲーム機向けのDRAMまで幅広く手がけています。

ストレージではSK hynix製品を確認

内蔵ストレージについては、分解調査からSK hynix製の256GB UFS 3.1が確認されています。

SK hynixはDRAMだけでなく、NAND型フラッシュメモリにも強い韓国の大手メーカーです。

なお、発売前にはキオクシア製ストレージを示す部品情報も出ていました。

🐣「じゃあSwitch 2にはキオクシアも入っているの?」

これは現時点では断定できません。

任天堂はSwitch 2全台のメモリ調達先を公式には公表していません。

同じ製品でも、生産時期や工場、地域によって複数メーカーの部品を使い分けることがあります。

そのため、

  • Micron製DRAMを搭載した個体が確認されている
  • SK hynix製ストレージを搭載した個体が確認されている
  • すべてのSwitch 2が同じ組み合わせとは限らない
  • キオクシア製品が採用されている可能性も否定できない
  • ただし、採用台数や契約内容は非公表

という整理が適切でしょう。

メモリ価格はどのくらい上がった?

ここが一番気になるところです。

結論からいうと、任天堂の実際の購入価格が何%上昇したかは分かりません。

メモリの価格は、

  • 製品の規格
  • 容量
  • 契約数量
  • 契約期間
  • 納入時期
  • メーカーとの関係

などによって変わります。

任天堂ほどの大口顧客であれば、長期契約によって一定量を確保している可能性があります。

市場価格が1か月で50%上がったとしても、任天堂の調達価格が同じ月に50%上がるとは限りません。

一方、市場全体では非常に強い値上がりが起きています。

Micronが2026年に示した四半期の平均販売価格は、

  • DRAM:前四半期比で60%台前半の上昇
  • NAND:前四半期比で80%台半ばの上昇

と伝えられています。

さらに2026年7月にも、DRAMの平均価格は前月比6%、NANDは前月比9%上昇しました。

これは任天堂の契約価格そのものではありませんが、メモリ市場の需給がかなり逼迫していることは分かります。

🐣「数%の値上がりどころじゃない……!」

Switch 2は初代SwitchよりDRAM容量が増え、ストレージも大容量化しています。

高性能化したタイミングと、世界的なメモリ価格上昇が重なってしまったのです。

なぜAIブームでSwitch 2まで高くなるの?

メモリ価格高騰の大きな原因が、生成AIの急速な普及です。

AIデータセンターでは、大量のデータを高速で処理するために、HBMと呼ばれる高性能メモリが使われます。

HBMは一般的なDRAMよりも価格と利益率が高く、製造にも多くの生産能力を必要とします。

そこでメモリメーカーは、利益率が高く需要も強いAI向け製品を優先しています。

その結果、ゲーム機、スマートフォン、パソコンなどに使われる一般的なDRAMやNANDへ回せる生産能力が減り、価格が押し上げられています。

つまり、

AIサーバーが大量のメモリを必要とする
↓
メーカーがAI向けメモリを優先する
↓
一般機器向けのメモリが不足する
↓
Switch 2の部品価格まで上がる

という流れです。

🐣「任天堂がAIに投資しているからじゃなく、世界中のAI投資に巻き込まれているんだね!」

任天堂は本体価格を1万円引き上げ

任天堂は2026年5月25日から、日本国内向けSwitch 2の希望小売価格を変更しました。

変更前変更後値上げ幅
49,980円59,980円10,000円

米国では2026年9月から449.99ドルを499.99ドルへ、欧州では469.99ユーロを499.99ユーロへ変更しています。任天堂「2026年3月期 決算説明資料」

価格変更のすべてがメモリ高騰によるものとは限りません。

関税、為替、そのほかの部品や物流費なども関係します。

それでも、部材価格と関税による負担を任天堂だけで吸収するのが難しくなっていることは確かです。

本体を値上げすれば、1台あたりの採算は守りやすくなります。

一方で、価格が高くなれば販売台数が鈍る可能性もあります。

🐣「利益を守るためには値上げしたい。でも値上げすると売れにくくなる……!」

任天堂にとって、かなり難しい判断です。

メモリ価格はいつ落ち着く?

残念ながら、短期間で元の価格へ戻る可能性は高くなさそうです。

メモリ各社は増産投資を進めていますが、半導体工場は計画してすぐに生産を始められるものではありません。

工場の建設、製造装置の搬入、試験生産、歩留まり改善を経て、本格的な量産に入るまでには長い時間がかかります。

また、AIデータセンター向け需要が今後も伸びるなら、増産した分をAI用途が吸収してしまう可能性もあります。

市場では、

  • DRAMとNANDの供給不足は2027年まで続く
  • 2027年にかけて価格上昇が続く
  • 本格的な価格低下は2028年以降

といった見方も出ています。

ただし、メモリは非常に値動きの激しい製品です。

過去にも不足による急騰と、増産後の供給過剰による暴落を繰り返してきました。

AI投資が減速したり、各社の増産が想定以上に進んだりすれば、予想より早く値下がりする可能性もあります。

反対に、AI投資がさらに加速すれば、高値が長く続く可能性もあります。

メモリ高騰は任天堂株にどんな影響がある?

メモリ価格の上昇は、任天堂にとって明確な逆風です。

特にSwitch 2発売直後は、売上高に占めるハードの割合が高くなります。

2026年3月期の任天堂は、売上高が前期比98.6%増の2兆3,130億円まで拡大しました。

しかし営業利益は27.5%増の3,601億円にとどまり、営業利益率は24.3%から15.6%へ低下しました。

🐣「売上はほぼ2倍なのに、利益は2倍になっていない……」

本体が売れても、メモリなどの部品が高ければ利益率は上がりにくくなります。

ただし、任天堂には大きな強みがあります。

それが、ポケモンやマリオ、ゼルダ、どうぶつの森といった利益率の高いソフトを自社で販売できることです。

一度Switch 2が普及すれば、その後は本体1台に対して複数のソフトが売れます。

ダウンロード版、追加コンテンツ、Nintendo Switch Onlineなどの収益も期待できます。

メモリ価格が高い間は、本体を売るだけでなく、

1台のSwitch 2からどれだけ長くソフト収益を得られるか

がさらに重要になります。

【関連記事】ポケモンが任天堂の利益とSwitch 2の普及にどう貢献するのか

キオクシアには追い風、任天堂には逆風

このメモリ高騰は、企業によって見え方が正反対になります。

メモリを購入する任天堂にとっては、製造コストが上がる逆風です。

一方、NAND型フラッシュメモリを販売するキオクシアなどにとっては、販売価格の上昇が利益を押し上げる追い風になります。

企業メモリ高騰の主な影響
任天堂部品調達費が上がり、ハードの利益率を圧迫
キオクシアNANDの販売価格上昇により収益改善が期待できる
MicronDRAM・NAND価格上昇が業績を押し上げる
SK hynixAI向けHBMと一般メモリの両方で恩恵

🐣「同じメモリ高騰でも、買う会社と売る会社では正反対なんだね!」

ただし、キオクシアなどのメモリメーカーも、価格上昇が永遠に続くわけではありません。

増産によって供給過剰になれば、今度は急激な価格下落が起きる可能性があります。

メモリメーカーを見るときは「価格が上がっているか」だけでなく、在庫、出荷量、設備投資、供給能力まで確認する必要があります。

まろぴーの注目ポイント

まろぴーが今後の任天堂決算で確認したいのは、次の5点です。

  • メモリ価格に関する会社側の説明
  • Switch 2の値上げ後の販売台数
  • ハード売上高比率
  • 売上総利益率と営業利益率
  • Switch 2向け自社ソフトの販売本数

メモリ価格が高止まりしていても、値上げ後のSwitch 2が計画どおり売れ、ポケモンなどの自社ソフトが伸びれば、利益率は改善できる可能性があります。

反対に、本体価格の上昇で販売台数が減り、ソフトも弱ければ、メモリ高騰の影響がより重くなります。

見るべきなのは「Switch 2が何台売れたか」だけではありません。

高くなった本体を売ったあと、どれだけソフトで回収できるか。

ここが、Switch 2発売2年目以降の重要なポイントになりそうです。

今回はSwitch 2を「任天堂の利益とメモリ価格」という投資家目線から見てきましたが、もちろん主役はゲーム機🎮
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まとめ:AIブームが任天堂の利益率まで揺らしている

最後にまとめます。

  • 任天堂は部材価格や関税による約1,000億円の原価影響を想定
  • 1,000億円すべてがメモリの影響ではない
  • Switch 2は12GBのLPDDR5Xと256GBのUFSストレージを搭載
  • 分解個体ではMicron製DRAMとSK hynix製ストレージを確認
  • 任天堂は全調達先や契約価格を公表していない
  • DRAMとNANDの市場価格は急激に上昇
  • AI向けHBMの需要拡大が一般メモリの供給にも影響
  • 供給不足は2027年まで続くとの見方がある
  • 任天堂は本体価格を引き上げて採算悪化に対応
  • 今後は利益率の高い自社ソフトがさらに重要になる

AIブームは、半導体企業だけの話ではありません。

世界中のデータセンターがメモリを求めた結果、家庭用ゲーム機の製造コストまで上昇しています。

任天堂にとっては厳しい環境ですが、ポケモンやマリオなどの強力なIPを持つからこそ、本体販売後のソフト収益で戦えます。

🐣🌸「メモリ高騰に勝てるかどうかは、任天堂の仲間たちにかかっている!」

今後の決算ではSwitch 2の販売台数だけでなく、ソフト販売と利益率の変化にも注目していきたいと思います。

※本記事は公開情報をもとにした個人の見解であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。

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