こんにちは、まろぴーです!🌸
2026年10月28日、アドバンテスト(6857)が驚異的な決算を発表しました。
7〜9月期の営業利益率は、なんと55.9%!
さらに通期営業利益予想を9,670億円へ上方修正。最大2,800億円の自社株買いも発表しました。
数字だけなら文句なしの好決算です。
でも、まろぴーが気になったのは利益の大きさだけではありません。
なぜアドバンテストは、ここまで利益を稼げるようになったのでしょうか?
そして、もっと重要なのが次の疑問です。
この異常ともいえる利益率は、来期も維持できるのでしょうか?
さらに、10月中旬の半導体株急落局面では、アドバンテストの信用買い残が大きく増えていました。
業績は絶好調。でも株価の需給はどうなのか?
今回は決算内容だけでなく、事業構造、利益率、生産能力増強、信用需給、来期PERまで徹底分析します!🔍
アドバンテストの決算はどれほどすごかった?
まずは2026年4〜9月期の実績です。
| 項目 | 上期実績 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 8,452億円 | +60.5% |
| 営業利益 | 4,568億円 | +96.5% |
| 税引前利益 | 5,102億円 | +121.3% |
| 純利益 | 3,681億円 | +116.8% |
売上高が約60%増えたのに対し、営業利益は約2倍。
しかも、直近7〜9月期はさらに強い内容でした。
| 項目 | 4〜6月期 | 7〜9月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,675億円 | 4,777億円 |
| 営業利益 | 1,900億円 | 2,668億円 |
| 営業利益率 | 51.7% | 55.9% |
※四捨五入した概数。
わずか3か月で売上高が約30%増加。
営業利益は約40%増加しています。
ここで注目したいのが、営業利益率の改善です。
売上が増えるほど利益率まで上がっている。
今のアドバンテストは、売上成長と収益性改善が同時に起きている状態なんです。
営業利益率55.9%はなぜ実現できる?
今回、まろぴーが最も重要だと感じた数字があります。
それが売上総利益率です。
7〜9月期の売上総利益率は、なんと71.1%!
売上高4,777億円に対して、売上総利益は約3,398億円です。
つまり、製品原価を差し引いても、売上の7割以上が残る計算になります。
なぜ、ここまで高い収益性を実現できるのでしょうか?
AI半導体の検査がますます難しくなっている
アドバンテストの主力事業は半導体テスタです。
半導体テスタとは、製造された半導体が正しく動作するかを検査する装置のこと。
特にAI向け半導体は、性能が高くなるほど検査が複雑になります。
高速演算、大量のデータ転送、高い消費電力への対応など、確認する項目が増えるからです。
そのため、半導体の生産数量が増えなくても、1個当たりの検査負荷が高まればテスタ需要が増える可能性があります。
AI半導体の高性能化そのものが、アドバンテストの成長要因になっているんです。
高性能テスタの製品構成が改善
今回の決算では、製品構成の改善も収益性向上の要因として示されています。
高性能な半導体向けテスタの比率が高まれば、販売単価や利益率の改善につながる可能性があります。
個々の装置の利益率は開示されていませんが、売上総利益率71%という数字は、製品構成の強さを示しています。
売上拡大による営業レバレッジ
半導体テスタの開発には、高度な技術と多額の研究開発費が必要です。
一方、売上が大きく増えれば、固定費をより多くの売上で吸収できます。
これが営業レバレッジです。
現在のアドバンテストは、需要拡大と製品構成改善、固定費吸収が重なっていると考えられます。
ただし、それぞれが利益率を何ポイント押し上げたかまでは開示されていません。
SoCテスタが主役!メモリテスタとの違い
アドバンテストの業績を分析するなら、テスタをひとまとめにしてはいけません。
特に重要なのが、SoCテスタとメモリテスタの違いです。
SoCテスタ:AI半導体の高性能化が追い風
SoCテスタは、GPUやCPUなどの演算処理を担う半導体の検査に使われます。
AI半導体の高性能化が進むほど、検査の複雑さも増していきます。
今回の成長を牽引している中心分野です。
メモリテスタ:HBMなどの高度化が追い風
メモリテスタは、DRAMやNANDなどのメモリ半導体を検査する装置です。
AI向けでは、HBM(広帯域メモリ)の重要性が高まっています。
ただし、NAND価格が上昇したからといって、アドバンテストの売上が直ちに増えるわけではありません。
メモリメーカーの設備投資や検査需要に波及して、初めて業績への恩恵が生まれます。
直近四半期の売上構成
| 分野 | 売上高 | 全社売上に占める割合 |
|---|---|---|
| SoCテスタ | 3,533億円 | 約74.0% |
| メモリテスタ | 534億円 | 約11.2% |
| その他テストシステム | 299億円 | 約6.3% |
| サービス・その他 | 411億円 | 約8.6% |
※構成比は概算。
ここが重要です。
アドバンテストの現在の成長を理解するには、メモリ市況だけでなく、AI向けSoCの検査需要を追う必要があります。
なお、NAND市況やキオクシアの信用需給については、以前の記事でも詳しく分析しています。
▶ 【半導体株の底値を探せ】SCREEN・マクニカ・キオクシアを信用需給から徹底比較
SoCテスタの生産能力を年間1万台へ!📈
今回の決算説明資料で、まろぴーが特に注目したのが生産能力の増強です。
アドバンテストはSoCテスタの年間生産能力を5,000台超まで引き上げています。
さらに将来的には、年間1万台の生産能力を目指しています。
これはかなり大きな話ですよね。
ただし、注意点があります。
生産能力が2倍になっても、売上高や利益が2倍になるとは限りません。
実際の売上高は、販売台数、装置単価、製品構成、顧客の設備投資計画によって変わります。
また、増産には部品調達や外部パートナーとの連携も必要です。
それでも、これほど積極的に生産能力を増強していることは、将来の需要拡大を見据えている材料になります。
まろぴーが注目しているのは、今回の決算が一時的な好調で終わるのか、それとも増産によって来期以降も売上を伸ばせるのかという点です。
増産はチャンスであり、リスクでもある
今後の成長には、AI半導体向け需要の継続、生産能力増強の進展、増産した装置の販売が必要です。
特に重要なのが、増産後の需要です。
増産体制を整えた後に需要が鈍化すれば、利益率が低下する可能性もあります。
増産は将来の成長余地である一方、需要がピークアウトしたときのリスクにもなり得る。
ここは忘れずに見ておきたいですね。
半導体テスタ市場はどこまで拡大する?
アドバンテストは2026年の半導体テスタ市場について、130億〜145億ドルという規模を見込んでいます。
| 分野 | 2026年市場規模見通し |
|---|---|
| SoCテスタ | 105億〜115億ドル |
| メモリテスタ | 25億〜30億ドル |
| 合計 | 130億〜145億ドル |
ここでもSoCテスタの存在感が際立っています。
市場全体の約8割を占める規模です。
ただし、これは業界全体の市場規模であって、アドバンテストの売上高ではありません。
市場が拡大しても、競争環境やシェアによって企業ごとの成長率は変わります。
競合する米国テラダインなどとの競争も重要です。
市場の拡大だけでなく、アドバンテストがどれだけシェアと利益率を維持できるか。
これが来期以降の成長を左右するポイントになりそうです。
純利益には金融商品の評価益も含まれている
ここは今回の決算で、必ず触れておきたい部分です。
上期の純利益は3,681億円。
前年同期比116.8%増と非常に強い数字ですが、そのすべてが本業の営業利益から生まれたわけではありません。
上期には約570億円の金融収益が計上されています。
その中には、戦略投資に関連する金融商品の評価益約542億円が含まれています。
これは本業の半導体テスタ販売とは性質が異なる利益です。
つまり、純利益だけを見て企業の稼ぐ力を判断すると、収益力を過大評価してしまう可能性があります。
ただし、評価益の全額を純利益から単純に差し引けばよいわけではありません。税金や他の金融損益の影響があるためです。
そこで、まろぴーが重視したいのが営業利益です。
上期の営業利益は4,568億円。
前年同期比96.5%増。
金融商品の評価益を考慮しなくても、本業の利益がほぼ2倍になっているんです。
今回の決算は、金融収益だけで膨らんだ好決算ではありません。
本業そのものが大きく成長しています。
下期の会社予想は保守的なのか?
今回の上方修正後の通期予想から、下期の数字を逆算してみます。
| 項目 | 上期実績 | 下期会社予想 |
|---|---|---|
| 売上高 | 8,452億円 | 1兆178億円 |
| 営業利益 | 4,568億円 | 5,102億円 |
| 営業利益率 | 54.0% | 約50.1% |
下期の売上高は上期を大きく上回る計画です。
一方、営業利益率は上期より低下する見通し。
会社は下期も売上成長が続くと見ている一方、直近四半期の55.9%という利益率がそのまま続くとは想定していません。
もし下期も利益率55%を維持したら?
ここで簡単な試算をしてみましょう。
下期売上高が会社予想どおり1兆178億円で、営業利益率が55%だった場合、
下期営業利益は約5,598億円。
上期営業利益4,568億円と合計すると、通期営業利益は約1兆166億円になります。
会社予想の9,670億円を約496億円上回る計算です。
もちろん、これは利益率だけを変えた単純なシミュレーションです。
実際に55%を維持するという予想ではありません。
それでも、利益率が数ポイント変わるだけで、年間利益が数百億円動く規模になっていることが分かります。
今後の決算では、売上高だけでなく営業利益率の推移が極めて重要です。
為替も業績を動かす!円安はどれだけプラス?
アドバンテストは海外売上の比率が高い企業です。
そのため、為替変動も業績に影響します。
決算説明資料では、米ドルに対する為替感応度として、1円の円安で営業利益が約58億円増加するという目安が示されています。
一方、ユーロについては、1円の円安で営業利益が約4億円減少するという目安です。
ただし、実際の影響は為替予約や取引構成、適用期間によって変わります。
また、円安による利益増加と、テスタ需要そのものの拡大は区別して考える必要があります。
来期の利益成長を評価するときには、為替による押し上げ分を除いても成長しているかを確認したいところです。
PER34倍は高い?来期の利益をシミュレーション
ここからは株価評価です。📊
2026年10月28日の終値34,930円に対し、会社予想EPSは1,027.08円。
予想PERは約34.0倍です。
このPERをどう評価するか。
重要なのは、来期以降のEPS成長です。
| 来期EPS成長率 | 仮定EPS | 現在株価でのPER |
|---|---|---|
| -20% | 約822円 | 約42.5倍 |
| 0% | 約1,027円 | 約34.0倍 |
| +10% | 約1,130円 | 約30.9倍 |
| +20% | 約1,232円 | 約28.3倍 |
| +30% | 約1,335円 | 約26.2倍 |
※株価34,930円を固定した仮定計算。来期会社予想ではありません。
もし来期も30%増益するなら、現在の株価に対する来期PERは約26倍。
一方、来期が横ばいならPERは34倍のまま。
もし利益が20%減少すれば、PERは42倍を超えます。
つまり、今のアドバンテストを評価するうえで重要なのは、今期の好決算だけではありません。
来期も成長するのか。それとも今期が利益のピークなのか。
この判断によって、同じ株価でも割高感が大きく変わるんです。
株価40,000円を正当化するには?
株価40,000円なら、今期予想EPSに対するPERは約38.9倍です。
もしPER30倍を基準に株価40,000円を正当化するなら、必要なEPSは約1,333円。
今期会社予想から約30%の成長が必要になります。
逆にPER35倍が許容されるなら、必要なEPSは約1,143円。
今期予想から約11%の成長で届きます。
ただし、PERの評価水準自体も変動します。
AI関連株への期待が強まれば高PERが維持される可能性がありますが、半導体投資のピークアウトが意識されれば、利益が成長していてもPERが低下することがあります。
株価はEPSとPERの掛け算。
利益成長だけでなく、投資家が何倍まで評価するかも大切なんです。
業績は絶好調。でも信用買い残は52%増えていた!
ここからは、まろぴーが特に気になっている信用需給です。
10月23日に公開した半導体関連35銘柄の信用需給調査では、アドバンテストに興味深い変化がありました。
| 指標 | 調査結果 |
|---|---|
| 株価変化率 | -19.9% |
| 信用買い残変化率 | +52.3% |
| 信用買い残÷20日平均出来高 | 0.22日分 |
※株価は10月13日〜22日、信用買い残は10月13日〜21日の比較。
株価が約20%下落する一方、信用買い残は52%以上増加していました。
これは気になりますね。
下落局面で新たな信用買いが積み上がった可能性があります。
ただし、ここで重要なのが、平均出来高に対する信用買い残の割合です。
アドバンテストの信用買い残は、20日平均出来高のわずか0.22日分でした。
つまり、
信用買い残の増加率は大きい。でも、普段の出来高と比較すると残高は相対的に軽い。
この二つは分けて考える必要があります。
信用買い残が52%増えたという理由だけで、需給が極端に悪いと判断するのは早計です。
一方で、好決算を受けて株価が大きく上昇すれば、下落局面で買った投資家による利益確定売りが出る可能性もあります。
なお、この信用残データは10月21日時点までの比較です。決算発表直前や発表後の信用残を示すものではありません。
好決算と信用需給の両方を見ることで、決算翌日の値動きをより立体的に考えられます。
▶ 【半導体株の底値を探せ】急落で信用需給が改善した厳選5銘柄!SCREEN・マクニカ・キオクシアを徹底比較
まろぴーが警戒する3つのリスク
今回の決算は強い内容でしたが、リスクがないわけではありません。
AI設備投資のピークアウト
AI関連の設備投資が鈍化すれば、半導体テスタ需要にも影響する可能性があります。
現在はAI向けSoCテスタの存在感が大きいため、この分野の投資動向が重要です。
AIデータセンター関連の設備投資については、光通信大手コーニングの決算も参考になります。
▶ 【電線御三家に潜む信用買い残の重さ】コーニング決算は追い風か?フジクラ・古河電工・住友電工をキオクシアと比較!
利益率の正常化
直近の営業利益率55.9%は非常に高い水準です。
今後、製品構成が変わったり、増産に伴うコストが増えたりすれば、利益率が低下する可能性があります。
売上高が伸びても、利益率が下がれば利益成長は鈍化します。
高PERによる株価変動
PER34倍という水準は、将来の成長期待を反映しています。
好決算でも期待に届かなければ売られる可能性があります。
特に半導体株全体が調整局面に入れば、個別企業の好業績だけでは株価を支えきれない場面も考えられます。
10月29日の株価はどうなる?決算翌日の注目点
今回の決算は、業績面では非常に強い内容です。
市場予想を上回る上方修正。
高い営業利益率。
生産能力の増強。
そして最大2,800億円の自社株買い。
これだけ材料がそろえば、買いが集まる展開も考えられます。
ただし、まろぴーとしては寄り付きで飛びつくことには慎重です。
なぜなら、決算前から株価が高い位置にあるからです。
好決算を受けて大きくギャップアップした場合、短期的な利益確定売りが出る可能性があります。
一方、寄り付き後の売りを吸収して高値を更新するなら、強い買い需要があると判断する材料になります。
寄り付き後5分間に注目!
まろぴーが確認したいのは、寄り付き後5分間の高値・安値と出来高。
そして、大きく上昇した場合の利益確定売りの強さです。
さらに、アドバンテストだけでなく半導体関連株全体に買いが広がるかも確認したいところ。
決算が良かったから買うのではなく、好決算を市場がどう評価しているかを見る。
明日もこの姿勢で判断したいと思います。
FOMC・日銀・半導体決算が重なる重要局面
しかも、今週はアドバンテストの決算だけではありません。
FOMC、日銀金融政策決定会合、国内外の半導体関連企業の決算が集中しています。
つまり、アドバンテストの好決算だけで相場全体の方向が決まるわけではないんです。
米国の金利動向やAI設備投資への期待が変われば、半導体株全体の評価も変わる可能性があります。
今週の重要イベントと注目銘柄は、こちらの記事で整理しています。
▶ 【10/26〜30】日本株は激動の1週間へ!FOMC・日銀・半導体決算で相場はどう動く?
アドバンテストの好決算は、ほかの半導体株にも追い風?
最後に、半導体セクター全体への影響を考えてみます。
アドバンテストの決算が示したのは、AI半導体向け検査需要の強さです。
ただし、半導体関連企業は事業内容が大きく異なります。
例えば、SCREENホールディングスは半導体洗浄装置に強みを持つ企業。
キオクシアホールディングスはNANDフラッシュメモリを手掛ける企業です。
同じAI関連需要の恩恵を受ける可能性があっても、売上が伸びる仕組みは異なります。
アドバンテストが好決算だったから、すべての半導体株が好決算になるわけではありません。
それでも、AI半導体向け投資が続いていることを示す材料としては重要です。
今後は各社の決算を確認しながら、需要拡大が実際に利益につながっている企業を探していきたいと思います。
特に信用需給が改善している銘柄は、業績と需給の両面から注目したいですね。
まとめ:アドバンテストは「高利益率の成長企業」へ変わったのか?
今回の決算で明らかになったのは、アドバンテストの収益力が大きく高まっていることです。
7〜9月期の売上総利益率は71.1%。
営業利益率は55.9%。
通期営業利益予想は9,670億円。
そして、SoCテスタの生産能力は年間1万台を目指す段階に入っています。
これは単なる一時的な好決算として片づけられない内容です。
一方で、上期純利益には金融商品の評価益が含まれています。
また、今後の増産が売上成長につながるか、現在の高い利益率が維持されるかは、引き続き確認が必要です。
さらに、10月中旬には信用買い残が52%以上増加していたという需給面の変化もありました。
まろぴーが最も注目しているのは、今期の利益がピークなのか、それとも来期以降も成長が続くのかという点です。
PER34倍という現在の株価は、今後の成長次第で見え方が大きく変わります。
今回の決算は非常に強い。
でも、ここから株価がさらに上がるかどうかは別の問題です。
営業利益率55%は通過点なのか。それとも、今が最も利益を稼げる局面なのか。
アドバンテストの本当の評価は、ここから始まるのかもしれません!📈
皆さんは、今回のアドバンテスト決算をどう評価しましたか?
明日は上昇継続、それとも材料出尽くし?
ぜひ意見を聞かせてください!
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※本記事は2026年10月28日時点の公開情報に基づく分析です。将来の業績や株価を保証するものではなく、売買を推奨するものでもありません。


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