【TSMC決算】AI半導体の成長は続くのか?日本株急落の裏で注目すべき3つの数字

相場攻略

こんにちは、まろぴーです!🌸

2026年10月15日、日本の半導体関連株が大きく売られています。

AI関連株への警戒感が強まり、これまで相場をけん引してきた半導体銘柄にも売りが広がっています。

でも、まろぴーは少し疑問に思っています。

AI半導体の需要は、本当に減速しているのでしょうか?

企業の業績が急に悪化したわけではないのに、株価だけが大きく下落している銘柄もあります。

そんなタイミングで本日決算を発表するのが、台湾のTSMCです。

世界最大の半導体受託製造企業であり、NVIDIAやApple、AMDなどの半導体製造を支える存在。

今回の四半期純利益は、前年同期比約65%増が予想されています。

これだけの成長が期待されている一方で、半導体株は急落している。

このギャップをどう考えればいいのでしょうか?

今回は、TSMCの事業内容と成長性を確認しながら、次の3つの数字を中心に決算を考察します。

  • 予想PER約20倍:成長率を考えると割安なのか?
  • 粗利益率66.5%:市場期待を上回れるか?
  • 設備投資600億〜640億ドル:AI半導体の増産は続くのか?

半導体セクター全体の急落については、こちらの記事でも考察しています。

▶ 半導体バブル崩壊?!SOX6日続落、好決算でも売られる異常事態

1.TSMCは何をしている会社?

TSMCは、世界最大の半導体受託製造企業、いわゆるファウンドリーです。

半導体業界には、大きく分けて「設計する企業」と「製造する企業」があります。

例えば、NVIDIAはAI向けGPUを設計しています。

しかし、その設計をもとに実際の半導体を製造するには、非常に高度な技術と巨額の設備投資が必要です。

そこで登場するのがTSMC。

NVIDIAやApple、AMDなどが設計した半導体を、最先端の工場で製造しています。

しかも、3nmや2nmといった最先端の微細加工技術を使って、高性能な半導体を大量生産できる企業は限られています。

これがTSMCの大きな競争力です。

AI向け半導体の需要が増えれば、その製造を担うTSMCにも注文が集まる。

つまり、TSMCはAI時代の半導体製造を支える中心企業なんです。

2.TSMCの成長率はどれほどすごい?

まず、近年の業績成長率を見てみましょう。

年度売上高成長率純利益成長率
2023年▲4.5%▲17.5%
2024年+33.9%+39.9%
2025年+31.6%+46.4%
2026年7〜9月期約+50%約+65%予想

※2026年は通期ではなく、7〜9月期の前年同期比です。純利益は決算前の市場予想。

2023年には半導体市況の調整によって減収減益となりました。

しかし、2024年以降は急回復。

2025年には売上高が31.6%増、純利益が46.4%増と、利益が売上高以上のペースで伸びています。

しかも、今回の7〜9月期も大幅な増収増益が見込まれています。

これだけの成長率を維持している企業は、世界的に見ても限られています。

ただし、半導体業界には景気循環があります。

現在の高成長が2027年以降も続くかどうかは、まだ分かりません。

だからこそ、最初の注目数字が重要になります。

3.注目数字① 予想PER約20倍は割安なのか?

TSMCの直近の予想PERは、データ提供元や予想対象期間によって違いがありますが、おおむね20〜22倍前後です。

一方、実績PERは約29倍。

将来の利益増加が予想されているため、予想PERの方が低くなっています。

ここで興味深いのが、TSMCの利益成長率です。

2025年の純利益成長率は46.4%。

今回の四半期も約65%増益が予想されています。

これだけ成長している企業の予想PERが約20倍。

まろぴーは、かなり気になる水準だと思っています。

ただし、利益が大きく伸びているからPER20倍は割安、と単純には判断できません。

重要なのは、これからの利益成長率です。

仮に現在の予想PERを20倍として、基準となるEPSがさらに成長した場合を考えてみましょう。

EPS成長率の仮定株価が変わらない場合のPER
+10%約18.2倍
+20%約16.7倍
+30%約15.4倍
+40%約14.3倍

※将来の利益成長率を仮定した単純計算です。2027年の市場予想ではありません。

例えば、利益が30%伸びれば、株価が変わらなくてもPERは約15倍まで低下します。

反対に、AI投資が減速して利益成長率が大きく低下すれば、PER20倍でも割安とは言えません。

つまり、TSMCの株価を評価するうえで本当に重要なのは、2027年以降も高い利益成長率を維持できるかということです。

4.売上高50%増は、すでに市場が知っている

今回のTSMC決算には、一つ大きな特徴があります。

それは、TSMCが毎月売上高を公表していること。

2026年7〜9月期の売上高は約1兆4,942億台湾ドル。

前年同期比約50%増です。

普通なら驚くような成長率ですよね。

でも、この数字は決算発表前から市場が把握しています。

つまり、売上高が大幅に伸びたこと自体は、今回の決算のサプライズになりにくいんです。

株価を動かす可能性があるのは、利益率と今後の見通しです。

以前の記事では、TSMCの設備投資と日本企業への波及について、FIGを含めて考察しました。

▶ TSMC売上50%増は織り込み済み?日本の半導体株を動かす設備投資とFIGへの波及

5.注目数字② 粗利益率66.5%を超えられるか?

今回の7〜9月期について、TSMCが前回示した会社予想は次のとおりです。

指標前四半期実績今回の会社予想
粗利益率67.7%65〜67%
営業利益率60.3%56〜58%

一方、決算前の市場予想の参考値は、粗利益率66.5%、営業利益率57.1%です。

ここで重要なのは、会社予想と市場予想が必ずしも同じではないこと。

例えば、粗利益率が66%だった場合。

会社予想の範囲内なので、計画どおりの決算といえます。

しかし、市場予想の66.5%には届いていません。

そのため、株価にとって必ずしも好材料になるとは限りません。

逆に67%を超えれば、会社予想の上限を上回ることになります。

もちろん、株価はほかの要因にも左右されますが、利益率の上振れは注目したいポイントです。

今回の純利益は約7,463億台湾ドルが市場予想。

こちらも重要ですが、まろぴーは本業の収益力を示す粗利益率と営業利益率を特に重視したいと思っています。

6.注目数字③ 設備投資600億〜640億ドルは続くのか?

TSMCの2026年設備投資計画は600億〜640億ドルです。

非常に大きな金額ですよね。

AI半導体を製造するには、最先端の製造装置や工場設備が必要です。

TSMCが生産能力を増やすということは、日本の半導体製造装置メーカーにも需要が生まれる可能性があります。

ただし、設備投資は増えれば増えるほど良いというわけではありません。

工場を新設すれば、減価償却費などの負担も増えます。

もしAI半導体の需要が想定より弱くなれば、設備投資が利益を圧迫する可能性があります。

だからこそ、今回確認したいのは次の2点です。

2026年の設備投資計画を維持するのか。

そして、2027年も増産が必要なほどAI半導体の需要が強いのか。

まろぴーは、この先の成長見通しが今回の決算で最も重要なポイントだと思っています。

7.日本の半導体株では、どこに恩恵がある?

ここからは日本株の話です。

TSMCが強気の見通しを示せば、日本の半導体関連株も反発するのでしょうか?

これは企業によって違うと思います。

同じ半導体関連株でも、事業内容が異なるからです。

企業主な事業TSMC決算で注目する材料
東京エレクトロン成膜・エッチング装置など先端プロセスへの投資
SCREEN半導体洗浄装置工場増設・工程の高度化
ローツェウエハー搬送・自動化装置新工場投資・搬送需要
アドバンテスト半導体検査装置AI半導体の生産・高性能化
FIG自動化・ロボット関連半導体工場向け装置の採用拡大

東京エレクトロン・SCREEN

TSMCが2nmなどの先端プロセスへの投資を拡大すれば、製造装置需要を考えるうえで重要な材料になります。

ただし、TSMCの設備投資額がそのまま日本企業の受注増加につながるわけではありません。

どの工程に投資されるのかを確認する必要があります。

ローツェ

ローツェは、ウエハー搬送装置や自動化技術を手がけています。

半導体工場の増設や自動化は、同社にとって事業機会となります。

しかも、直近決算では通期業績予想を上方修正しています。

業績が改善している企業までセクター全体の売りに巻き込まれているなら、決算後に見直される可能性もあります。

ただし、ローツェ自身の受注状況や顧客別の動向も確認が必要です。

▶ ローツェを含む半導体企業の深掘り記事はこちら

アドバンテスト

アドバンテストは、半導体検査装置の企業です。

AI半導体の高性能化が進めば、検査工程も複雑になる可能性があります。

そのため、TSMCの設備投資額だけでなく、AI向け先端半導体の生産拡大が重要になります。

FIG

FIGは、少し違った角度から注目しています。

グループ会社のREALIZEは、半導体関連の検査自動化装置を開発しています。

ただし、TSMCが直接の顧客であると確認されたわけではありません。

また、試験運用と正式な量産採用は別です。

TSMCの決算だけでFIGの売上増加を断定することはできませんが、半導体工場の自動化投資が広がるなら、将来的な需要を考える材料になります。

▶ FIGのAI半導体検査装置は本物?REALIZEの技術と量産期待を深掘り

8.メモリ関連株にも反発は波及する?

今回の半導体株急落では、キオクシアなどのメモリ関連株も大きく売られています。

ただし、ここは少し分けて考える必要があります。

TSMCが主に製造するのは、CPUやGPUなどのロジック半導体です。

一方、キオクシアの主力はNANDフラッシュメモリ。

直接的には別の市場です。

それでも、AI投資の拡大はデータセンター向けSSDの需要にも関係しています。

そのため、TSMCがAI需要の強さを示せば、メモリ関連株にも安心感が広がる可能性があります。

ただし、TSMCの好決算がNAND価格の上昇を保証するわけではありません。

NANDの価格は、供給量、在庫、スマートフォンやPCの需要などにも左右されます。

また、NANDの契約価格が上昇していても、株式市場では半導体セクター全体のポジション整理によって株価が下落することがあります。

今回のキオクシアの急落も、NANDの事業環境だけでなく、株式市場の需給悪化が影響している可能性があります。

まろぴーは、TSMC決算後に米国のMicronやSanDiskがどう反応するかも確認したいと思っています。

9.日本の半導体株は売られすぎなのか?

今回、まろぴーが一番気になっているのは、日本の半導体株の急落です。

もちろん、株価が大きく下がったからといって、必ず反発するわけではありません。

特に信用買い残が多い銘柄では、損切りや信用ポジションの整理によって下落が加速することがあります。

また、AI需要が今後減速すると市場が判断すれば、企業の予想PERそのものが切り下がる可能性もあります。

ただし、業績が強い企業まで一律に売られているなら、見直し買いが入る余地もあります。

そこで確認したいのは、次の4点です。

  • 直近決算で業績が改善しているか
  • 株価下落によって予想PERがどこまで低下したか
  • 信用需給の悪化が続いているか
  • TSMC決算後に買い戻しが入るか

「急落したから買う」ではなく、「業績と株価の評価にズレが生まれていないか」を考えたいですね。

10.TSMC決算後の3つのシナリオ

🌸 強気シナリオ:半導体株反撃のきっかけ

利益率が市場予想を上回り、10〜12月期の見通しも強い。

さらに2027年のAI需要について前向きな説明があれば、半導体関連株の買い戻しにつながる可能性があります。

🤔 中立シナリオ:好決算でも反応は限定的

利益は好調でも、市場の想定どおり。

この場合、TSMCの株価が大きく反応しない可能性があります。

ただし、日本株では直前の急落によって売りが進んでいるため、安心感から反発する可能性も考えられます。

📉 弱気シナリオ:好決算でも下落継続

足元の利益が好調でも、今後の利益率や設備投資の見通しが弱い。

この場合、AI投資の減速懸念が強まるかもしれません。

また、決算内容が強いのにTSMCの株価が下落するなら、企業業績以外の要因によって売りが続いている可能性にも注意が必要です。

11.まろぴーの結論:今回の決算は「2027年」を見る

今回のTSMC決算で、まろぴーが注目している数字を振り返ります。

注目する数字確認したいこと
予想PER約20倍将来の利益成長を考えると割安なのか
粗利益率66.5%市場期待を上回る収益性を示せるか
設備投資600億〜640億ドルAI半導体の増産が続くのか

足元の売上高が大幅に伸びていることは、すでに分かっています。

今回の純利益も大幅増益が予想されています。

だからこそ、まろぴーは今回の決算を、単なる好業績の確認イベントだとは考えていません。

AI半導体の成長ストーリーが2027年も続くのか。それを確認する決算です。

そして、日本の半導体株が大きく売られている今だからこそ、決算後の反応には注目したいと思っています。

強い決算でも株価が下がるのか。

それとも、急落した半導体株に買い戻しが入るのか。

決算数字と、その後の株価反応の両方を確認していきたいですね!

まろぴーでした!🌸


あわせて読みたい

参考資料

※本記事は2026年10月15日のTSMC決算発表前に作成した考察です。PERや市場予想は参照時点によって変動します。投資判断を推奨するものではありません。

この記事は参考になりましたか?
参考になった!もうひと声!

コメント

タイトルとURLをコピーしました