TOTOはトイレだけじゃない!営業利益率40%級の「半導体事業」がすごい|AI需要で300億円投資へ

企業深掘

「TOTO」と聞いて、何を思い浮かべますか?

たぶん、ほとんどの人がこれ。

トイレ。

もちろん、まろぴーもそうでした。

🐰「ウォシュレットの会社でしょ? 半導体と何の関係があるの?」

ところがTOTOを調べていくと、かなり面白いものが出てきます。

実はTOTOには、半導体製造装置向けのセラミック事業があります。

しかも2024年度には、

売上高503億円
営業利益204億円
営業利益率 約41%

という、とんでもない収益性を記録しました。TOTOはこのセラミック事業を「成長セグメント」と位置づけ、2030年に向けて**“第3の事業の柱”**へ育てようとしています。 TOTO株式会社

さらに2026年には、AI半導体やデータセンター需要の拡大を背景に、2028年度まで約300億円の成長投資を決定しました。 TOTO株式会社

これ……

もう「トイレ会社の隠れ事業」と呼ぶ規模じゃなくなってきてない?

今回は、まろぴーと一緒にTOTOのもうひとつの顔を掘っていきます🔍


🚽 TOTOってどんな会社?

まずは全体像から。

TOTOは1917年創立。現在も主力はもちろん水まわりです。

トイレ、ウォシュレット、システムバス、キッチン、洗面化粧台などを国内外で展開しています。

2025年度のTOTOグループ全体では、

項目2025年度
連結売上高7,374億円
営業利益538億円
主力国内・海外住設
成長領域セラミック事業

となっています。 TOTO株式会社

つまり現時点では、あくまで巨大な住設メーカー。

ただし、その中で急速に存在感を増しているのが今回の主役です。

🧱 TOTOの「セラミック事業」

🐰「便器のセラミックを作ってたら、いつの間にか半導体まで来ちゃったの……?」

これ、冗談みたいですが意外と本質を突いています。

TOTOは100年以上にわたる衛生陶器の製造で、セラミックに関する技術を蓄積してきました。

その技術を発展させ、1984年にセラミック事業へ参入。

現在は主に、

静電チャック
AD部材
エンジニアリングセラミックス

などを手掛けています。 TOTO株式会社

そして、このうち半導体投資で特に注目したいのが、

「静電チャック」と「AD部材」

です。


🔍 静電チャックって何?

半導体を作るには、シリコンウエハの表面にものすごく細かい回路を作る必要があります。

その工程のひとつがエッチング。

ここではプラズマを使ってウエハ表面を精密に加工します。

そのとき、

ウエハをピタッと固定する部品

が必要になります。

それが**静電チャック(Electrostatic Chuck)**です。

TOTOの静電チャックは、静電気の力でウエハを吸着し、半導体製造装置の中で精密加工を支えています。 TOTO株式会社

🐰「半導体そのものじゃなくて、半導体を“作る装置の中”にTOTOがいるんだ!」

そういうこと。

ここはかなり重要です。


🛡️ もうひとつの武器「AD部材」

そして、もうひとつ面白いのがAD部材。

ADは「エアロゾルデポジション」の略です。

TOTOのAD法では、非常に細かなセラミック粒子を高速で基材にぶつけることで、表面に緻密なセラミック膜を形成します。

半導体製造装置の内部は強いプラズマにさらされます。

装置内部が削れて微細なゴミ、つまりパーティクルが発生すると、半導体製造では大問題。

TOTOのAD膜は高い耐プラズマ性を持ち、腐食を抑えてパーティクルの低減に貢献します。 TOTO株式会社

ざっくり言えば、

静電チャック → ウエハを正確に固定する

AD部材 → 装置内部を守り、ゴミの発生を抑える

という関係。

🐰「半導体を作る“舞台”を整えてる会社なんだね!」


🤖 なぜAI半導体でTOTOが注目される?

ここからが投資家として面白いところ。

AI半導体はどんどん高性能化しています。

それに伴って半導体製造工程では、

微細化
高精度化
大容量化

が進んでいます。

当然、半導体製造装置の部品にも、より高い性能が要求されます。

TOTO自身も、AI半導体やデータセンターなどの需要拡大を背景として、静電チャック・AD部材のさらなる成長を見込んでいます。 TOTO株式会社

つまり、

AI半導体需要増加
↓
先端半導体の生産増加・高度化
↓
半導体製造装置への投資
↓
静電チャック・AD部材需要
↓
TOTOセラミック事業

というルートです。

ここが、先ほど深掘りしたTOPPANやイビデンとは違います。


🧩 イビデン・TOPPAN・TOTOは何が違う?

AI半導体関連としてまとめられがちですが、実は立ち位置がかなり違います。

企業主な注目製品半導体との関係
イビデンICパッケージ基板AIチップを載せる
TOPPANFC-BGA・次世代パッケージAIチップを載せる
TOTO静電チャック・AD部材AI半導体を作る装置に入る

イビデンについてはこちら👇

イビデン、AI半導体向けパッケージ基板への巨額投資を深掘り

そしてTOPPANについてはこちら👇

TOPPANは印刷会社じゃない?AI半導体「FC-BGA」でイビデンを追う隠れ本命を徹底解説

🐰「イビデンとTOPPANは“チップの土台”、TOTOは“チップを作る工場の中”って覚えると分かりやすい!」

この違いを理解しておくと、半導体相場を見るのがかなり面白くなります。


💰 そして衝撃なのが営業利益率

まろぴーがTOTOを調べていて、一番「えっ?」となったのがここ。

2024年度のセラミック事業は、

売上高503億円
営業利益204億円

でした。

営業利益率を計算すると、

約40.6%。

TOTO資料でも41%とされています。 TOTO株式会社

🐰「40%……!? トイレよりこっちが気になってきたんだけど……!」

さらに推移を見るともっと面白い。

年度売上高営業利益営業利益率
2020201億円18億円9%
2021301億円93億円31%
2022495億円194億円39%
2023365億円110億円30%
2024503億円204億円41%

わずか数年で、収益構造がかなり変化しています。 TOTO株式会社

一方で2023年度には売上・利益とも落ちています。

ここも重要。

半導体サイクルの影響を受ける事業なんです。

一直線に伸び続けるわけではありません。


📈 そして2025年度は過去最高を更新

さらに現在は、その先まで進んでいます。

TOTOは2026年時点で、

2025年度のセラミック事業の売上高・営業利益がともに過去最高を更新した

と説明しています。

しかも、STAGE2で設定していた目標を1年前倒しで達成しました。 TOTO株式会社

これはかなり重要。

2024年度だけ一瞬利益率が跳ねた、という話ではなく、

高収益事業として規模そのものが拡大している

ということです。


🏭 TOTO、さらに300億円を突っ込む

そして2026年4月。

TOTOはセラミック事業への成長投資加速を発表しました。

茅ヶ崎・中津・豊前の3拠点で、

2028年度までに約300億円

の投資を決定しています。 TOTO株式会社

さらに豊前工場では、静電チャックの生産能力を増強するための焼成棟を建設。

2025年12月着工、2027年1月竣工予定です。 TOTO株式会社

そして7月にはもう一発。

🔬 研究開発だけで約170億円

茅ヶ崎工場に新たな研究開発棟を建設します。

投資額 約170億円
2026年12月着工予定
2028年4月竣工予定

対象は静電チャックとAD部材の次世代製品です。 TOTO株式会社

ちなみに、この170億円は300億円とは別ではなく、約300億円の投資計画に含まれる一部なので二重計上には注意。

🐰「300億円のうち170億円を研究開発棟に使うって、本気度かなり高くない?」

まろぴーもここは注目しています👀


🚀 TOTOは「第3の柱」にしようとしている

TOTOの中長期計画「WILL2030」では、セラミック事業について、

2030年に「揺るぎない第3の事業の柱へ」

という方向性を示しています。 TOTO株式会社

つまり、

日本住設
海外住設
セラミック

という3本柱を目指しているわけです。

これまでのTOTOを見ると、

トイレ・水まわりの会社の中に、小さな半導体事業がある

というイメージでした。

でもこれからは、

住設+半導体セラミックを持つ会社

として見る必要が出てくるかもしれません。

ここが今回の記事で一番伝えたいところです。


🧠 なんでTOTOはこんなに利益率が高い?

TOTO自身は、高収益体質について技術革新・スマートファクトリー化による高歩留まりなどを強みとして挙げています。 TOTO株式会社

さらに静電チャックやAD部材は、先端半導体製造装置のキーパーツ。

簡単に別メーカーの商品へ入れ替えればいい、という種類の製品ではありません。

半導体製造では、わずかなパーティクルや加工精度の違いが歩留まりに影響します。

だからこそ、

高精度
高品質
高耐久性
顧客との共同開発
製造装置との適合

といった部分が重要になります。

TOTOは半導体製造装置メーカーからキーパーツを供給する**「コアパートナー」と認められている**と説明しています。 TOTO株式会社

これは利益率40%級を考えるうえで、かなり重要なポイントだと思います。


♻️ さらに「交換需要」がある

静電チャックにはもうひとつ面白い特徴があります。

交換需要です。

TOTOは2025年度計画について、NAND型フラッシュメモリ需要の拡大に伴い、静電チャックの新規・交換ともに需要増を見込んでいました。 TOTO株式会社

つまり、

半導体工場を新しく作る
→ 新しい製造装置向け需要

だけではありません。

既に稼働している装置からも、

→ 交換需要

が発生する。

設備投資だけを見るより、少し違った収益構造になっているのが面白いところです。


⚠️ もちろん「AIだから上がる」で終わらせない

ここはまろぴーが一番気をつけたいところ。

TOTOのセラミック事業が伸びているのは事実ですが、

AI半導体需要増=TOTO株が必ず上がる

ではありません。

特に注意したいのは、

① 半導体サイクル

2023年度にはセラミック売上高が365億円、営業利益110億円まで落ち込みました。 TOTO株式会社

② 巨額投資による費用増

300億円規模の投資を進めれば、減価償却などの負担も増えてきます。

③ TOTO全体では住設事業の影響が大きい

セラミックだけ見てTOTO全体を判断するのは危険。

中国や米国、日本の住宅市場、為替、原材料なども業績に影響します。

④ 半導体製造装置投資そのものの変動

TOTOは半導体メーカーへ直接チップを売っている会社ではありません。

製造装置向け部材なので、半導体メーカーの設備投資や装置需要の変動も見ておく必要があります。


👀 まろぴーが今後チェックしたいポイント

今回調べてみて、まろぴーが追いかけたいのはこの4つ。

セラミック事業の売上成長が続くか

40%前後という高い利益率を維持できるか

300億円投資後の生産能力・売上がどこまで伸びるか

セラミック事業がTOTO全体の利益に占める割合がさらに上昇するか

特に4番目。

ここが今回の投資テーマの核心だと思っています。

セラミック事業が伸びれば伸びるほど、

「TOTO=住設株」

という従来の評価だけでは説明しにくくなってきます。


🐰 まろぴーまとめ

最初は、

🐰「TOTOで半導体……?」

くらいの気持ちで調べ始めました。

でも数字を見ると印象がかなり変わりました。

2024年度セラミック売上高503億円
営業利益204億円
営業利益率約41%

そして2025年度には売上高・営業利益とも過去最高を更新。

さらに、

2028年度まで約300億円を成長投資。

TOTO自身も2030年にセラミック事業を**「揺るぎない第3の事業の柱」**にしようとしています。 TOTO株式会社

イビデンやTOPPANがAI半導体のパッケージ側から伸びる企業だとすれば、

TOTOは半導体製造装置の内部からAI半導体市場の成長を取り込む企業。

🐰「トイレを調べていたはずなのに、気づいたら半導体工場にいたよ……!」

こういう本業のイメージと実際の成長事業が全然違う企業、まろぴーは結構好きです。

今後は決算ごとに、TOTO全体の数字だけでなく、セラミック事業の売上・営業利益・利益率まで追いかけていきたいと思います。

※本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身でお願いいたします。


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