前回は、時価総額301億〜1,000億円の企業を調べました。今回はもう一段小さい、101億〜300億円の企業へ🔎
会社が小さければ10倍になりやすい、とは限りません。売上が伸びても利益がついてこなかったり、株価がすでに将来の成長を織り込んでいたりするからです。
そこで今回は7社の過去の業績と現在の評価を見たうえで、上位3社については**「2029年に時価総額10倍を達成するには、何倍のPERが必要か」**まで計算します。
まろぴー🌸「テンバガー候補を探す企画だからこそ、最後はちゃんと10倍から逆算してみよう!」
※時価総額とPER・PBRは2026年9月18日時点の参考値。決算期は企業によって異なります。2029年の業績数値は会社予想ではなく、成長条件を考えるためのまろぴー独自の仮説です。
まずは7社の現在地をチェック
| 企業名・コード | 時価総額 | 予想PER | PBR | 注目する事業 |
|---|---|---|---|---|
| サイバーセキュリティクラウド(4493) | 約204億円 | 約23.3倍 | 約4.4倍 | Web・クラウドのセキュリティ |
| Laboro.AI(5586) | 約146億円 | 約54.5倍 | 約5.3倍 | 企業向けオーダーメイドAI |
| Arent(5254) | 約282億円 | 約27.3倍 | 約3.8倍 | 建設業界向けDX |
| JDSC(4418) | 約191億円 | 約17.8倍 | 約2.8倍 | AI・データ活用 |
| ヘッドウォータース(4011) | 約144億円 | 約27.7倍 | 約2.3倍 | 企業向けAI導入支援 |
| インターアクション(7725) | 約205億円 | 約17.2倍 | 約1.7倍 | イメージセンサー関連装置 |
| アバールデータ(6918) | 約226億円 | 約11.5倍 | 約1.0倍 | 半導体製造装置向けなどの電子機器 |
まろぴー🌸「AIだけに寄せず、セキュリティ、建設DX、半導体関連も入れたよ。大事なのはテーマ名より、売上と利益が本当に増えるか!」
過去3年の売上・営業利益はどう動いた?
単位は億円。各社の直近3期の実績を並べました。決算月が異なるため、同じ年度でも対象期間はそろっていません。
| 企業 | 1期目 売上/営業利益 | 2期目 売上/営業利益 | 直近期 売上/営業利益 |
|---|---|---|---|
| サイバーセキュリティクラウド | 30.6/5.5 | 38.6/7.7 | 50.9/11.0 |
| Laboro.AI | 13.7/2.1 | 15.2/1.8 | 19.0/1.9 |
| Arent | 29.4/12.4 | 40.3/16.9 | 58.3/9.2 |
| JDSC | 164.6/0.5 | 230.6/5.8 | 228.3/6.4 |
| ヘッドウォータース | 23.2/1.0 | 29.1/3.1 | 39.0/2.3 |
| インターアクション | 77.6/15.8 | 66.7/14.2 | 48.2/7.0 |
| アバールデータ | 125.8/21.0 | 109.8/14.2 | 88.3/6.9 |
ここで見えてくるのは、同じ「成長候補」でも中身がかなり違うこと。
サイバーセキュリティクラウドは、2年間で売上が約1.7倍、営業利益が約2倍。一方、Laboro.AIは売上が伸びているものの、利益の拡大はこれからです。半導体関連の2社は直近まで減収減益が続いており、今後の回復の大きさが焦点になります。
直近実績と会社予想は各社の決算短信で確認できます。サイバーセキュリティクラウド/Laboro.AI/Arent/JDSC/ヘッドウォータース/インターアクション/アバールデータ
7社を「これから伸びる理由」で比べてみる
| 企業 | 調査する価値がある理由 | 一番気になる壁 |
|---|---|---|
| サイバーセキュリティクラウド | 売上と利益がそろって成長。継続利用型のサービスをさらに広げられるか | 競争と販売費の増加 |
| Laboro.AI | 企業ごとの難しい課題をAIで解く事業。案件が大型化すれば伸びしろがある | 人材確保と案件ごとの採算 |
| Arent | 建設業界のDX需要を取り込める。売上規模も拡大中 | 買収先の統合と利益回復 |
| JDSC | 売上の拡大に続き、営業利益も増えてきた | 売上構成の変化と利益の持続性 |
| ヘッドウォータース | AI導入需要を取り込み、会社予想は大幅増収増益 | 急成長に伴う財務負担 |
| インターアクション | 業績の底から回復すれば、利益の変化が大きい | 顧客の設備投資に左右される |
| アバールデータ | PER・PBRは7社で低め。半導体関連需要が戻れば再評価の余地 | 受注回復が続くか |
まろぴー🌸「PERが低い2社も気になる! でも今回は『3年で10倍』という、かなり厳しい条件で順位をつけるね」
まろぴーが詳しく追いたい3社は?
1位:サイバーセキュリティクラウド(4493)
7社の中では、売上と営業利益の成長を最も確認しやすい1社。
2025年12月期の売上は約50.9億円、営業利益は約11.0億円。会社が示す2026年12月期予想は売上60億円、営業利益12億円です。2026年上期も売上27.7億円、営業利益6.2億円と、前年同期を上回りました。2026年12月期中間決算短信
まろぴーが注目するのは、需要拡大だけでなく、増えた売上が利益につながってきた実績。これからは既存サービスの契約拡大に加え、新サービスや海外展開が次の成長を担えるかを見たいところです。
最大のリスクは競争。顧客獲得にかかる費用が増えれば、売上ほど利益が伸びない可能性があります。
2位:Laboro.AI(5586)
企業ごとに異なる課題を解くAI事業が、どこまで大きくなるか。
2025年9月期は売上約19.0億円、営業利益約1.9億円。会社の2026年9月期予想は売上約25.8億円、営業利益約3.8億円です。2026年9月期の第3四半期累計でも、売上約19.1億円、営業利益約2.5億円を計上しています。2026年9月期第3四半期決算短信
売上を伸ばす道は見えます。ただ、案件が増えるほど専門人材も必要になる事業です。1人当たりの生産性と利益率を高めながら拡大できるかが、企業価値を大きく変える条件だと思います。
予想PERはすでに約54.5倍。成長期待に応えるだけでなく、その期待を上回る利益拡大が必要です。
3位:Arent(5254)
建設DXの市場は大きい。ただし、まず確認したいのは利益の回復。
2026年6月期の売上は約58.3億円まで増えましたが、営業利益は約9.2億円と前期の約16.9億円から減少しました。会社の2027年6月期予想は売上約84.7億円、営業利益約17.1億円。予想どおり進めば、営業利益は回復する計画です。2026年6月期決算短信
建設業界のデジタル化が広がる余地は魅力。一方で、買収を含む事業拡大が、最終的にどれだけの利益を残すのかを見極める必要があります。
まろぴー🌸「売上が増える計画だけで飛びつかず、利益もちゃんと戻るかを追いたい銘柄!」
2029年まで伸びたら、売上と利益はどうなる?
ここからは会社予想を起点にした、まろぴーの独自シナリオです。単位は億円。「会社予想」と書いた年以外は、各社が発表した目標値ではありません。
| 企業 | 起点となる会社予想 | 翌期の試算 | その翌期の試算 | 2029年の試算 |
|---|---|---|---|---|
| サイバーセキュリティクラウド | 2026年12月期 60/12 | 2027年 78/16 | 2028年 101/22 | 2029年 130/30 |
| Laboro.AI | 2026年9月期 25.8/3.8 | 2027年 34/5 | 2028年 46/7.5 | 2029年 62/11 |
| Arent | 2027年6月期 84.7/17.1 | 2028年 110/22 | — | 2029年 140/29 |
※各欄は売上高/営業利益。Arentは2027年6月期の会社予想を起点とするため、ほかの2社と予想の起点が1期異なります。
この数字には、それぞれ条件があります。サイバーセキュリティクラウドは契約拡大と利益率の維持。Laboro.AIは人員を増やしながら採算も改善すること。Arentは事業拡大に見合う利益を残すことです。
では、この利益を達成できたとして、本当に時価総額10倍に届くの?

10倍を達成するには、2029年にPER何倍が必要?
PERは営業利益ではなく、純利益を使って計算します。そこで今回は比較のため、3社とも「2029年の純利益=試算した営業利益の70%」と仮置きしました。
税負担などを一律に置いた簡易計算です。実際の純利益は各社の税率、営業外損益、買収に伴う費用などで変わります。
| 企業 | 現在の時価総額 | 10倍に必要な時価総額 | 2029年の営業利益試算 | 仮置きの純利益 | 10倍に必要なPER |
|---|---|---|---|---|---|
| サイバーセキュリティクラウド | 約204億円 | 約2,042億円 | 30億円 | 21億円 | 約97倍 |
| Laboro.AI | 約146億円 | 約1,461億円 | 11億円 | 7.7億円 | 約190倍 |
| Arent | 約282億円 | 約2,817億円 | 29億円 | 20.3億円 | 約139倍 |
計算式は**「現在の時価総額×10 ÷ 2029年の仮置き純利益」**です。端数は四捨五入しています。
この結果は、かなり厳しい。
3社とも売上・営業利益が上のシナリオどおり伸びても、2029年に時価総額10倍となるには、高いPERで評価される必要があります。とくにLaboro.AIの約190倍、Arentの約139倍は、利益が想定を上回らなければ実現を説明しにくい数字です。
別の角度から、2029年にPER30倍で評価されると仮定してみます。その場合、10倍達成に必要な純利益は、サイバーセキュリティクラウドが約68億円、Laboro.AIが約49億円、Arentが約94億円。今回の仮置き純利益、21億円・7.7億円・20.3億円を大きく超えます。
まろぴー🌸「ここが今回いちばん大事! 『成長企業』と『3年で株価10倍になる企業』は、同じ意味じゃないんだね」
まろぴーの結論
時価総額300億円以下の7社から、事業の成長余地と業績の変化を追いたい順に、サイバーセキュリティクラウド、Laboro.AI、Arentを選びました。
ただし、今回置いた2029年の利益試算では、3社とも「3年で10倍」と言い切るには足りません。10倍という数字を本気で考えるなら、今後の決算で確認したいのは、売上成長そのものよりも想定を超える利益成長が起きるかです。
サイバーセキュリティクラウドは契約拡大が利益を押し上げるか。Laboro.AIは人員増を上回る生産性向上が起きるか。Arentは拡大した事業から利益を着実に回収できるか。
「ネクストキオクシア」を探す旅は、次の決算でも続きます🔎
シリーズ第1弾の時価総額1,000億以下編はこちら。さらに小さな企業を探したい人は、時価総額100億以下編もどうぞ🔎



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