かつては「アメリカ事業が足を引っ張っている」と言われたメルカリ。
ところが、2026年6月期は大幅増益。国内フリマだけでなく、メルカードや暗号資産など、金融サービスも拡大しています。
それなのに株価は8月の高値から約27%下落。
まろぴーも調べていて、ちょっと気になりました。
「これ、業績が悪いから売られているの? それとも期待が先行しすぎていただけ?」
今回は、メルカリの3つの事業を分解しながら、現在の株価が本当に割安なのか考えていきます。
※株価・業績データは2026年10月9日までの公表情報を基にしています。
1.メルカリの株価は高値から約27%下落
まずは現在の株価を確認します。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 10月9日終値 | 3,737円 |
| 2026年の高値 | 5,111円 |
| 高値からの下落率 | 約26.9% |
| 時価総額 | 約6,177億円 |
| 実績PER | 約17.4倍 |
| PBR | 約4.5倍 |
| 10月9日の出来高 | 約256万株 |
株価データ:Yahoo!ファイナンス・メルカリ
8月に5,000円を超えていた株価が、わずか2か月ほどで3,700円台まで下落しています。
これだけ見ると、何か大きな問題が発生したようにも感じます。
しかし、実際の業績はむしろ好調でした。
2.2026年6月期は大幅増益
2026年6月期の連結業績はこちら。
| 指標 | 2025年6月期 | 2026年6月期 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 売上収益 | 1,926億円 | 2,293億円 | +19.0% |
| コア営業利益 | 276億円 | 442億円 | +60.2% |
| 営業利益 | 278億円 | 439億円 | +57.7% |
| 親会社帰属利益 | 261億円 | 354億円 | +35.6% |
売上が19%増えた一方、営業利益は約58%増加。
つまり、売上の拡大以上に利益が伸びています。
以前のメルカリは、成長投資による赤字や米国事業の損失が注目されがちでした。
しかし現在は、年間400億円以上の営業利益を生み出す企業になっています。
それでも株価が下がるのは、投資家が過去の好業績より、これからの利益成長を重視しているからだと考えられます。
3.なぜ好決算なのに株価が低迷している?
まろぴーが注目したのは、2027年6月期の会社計画です。
2026年6月期のコア営業利益は約442億円。
それに対して、翌期の会社目標は450億円以上となっています。
単純に下限同士を比較すると、増益率は約1.9%。
前期に60%増益を達成した企業としては、物足りなく見える数字です。
ただし、ここで注意したいのは「450億円以上」という表現。
これは利益が450億円で止まるという予想ではありません。
実際に2026年6月期も、当初の会社目標を上回って着地しています。
したがって、株価の評価を左右するのは次の2つ。
- 会社が慎重な目標を設定しているだけなのか
- 成長投資の増加などによって、本当に利益成長が鈍化するのか
この違いは大きいですね。
4.国内フリマは成熟した事業なのか?
メルカリの利益を支える中心は、国内のマーケットプレイス事業です。
ただし、日本国内のフリマ利用者が今後も急増するとは考えにくい。
そこで注目したいのが、越境取引です。
日本のメルカリに出品された商品を、海外の購入者にも販売する仕組みが広がっています。
特に相性がよさそうなのは、トレーディングカード、アニメグッズ、ゲーム関連商品など。
日本で出品された商品に海外から需要が集まれば、出品者を大幅に増やさなくても取引総額を伸ばせる可能性があります。
2026年6月期の越境取引GMVは1,122億円に達しました。
ここは、成熟した国内フリマに新しい成長余地を与える材料だと思います。
一方で、海外向けの販売拡大には物流、決済、顧客対応などのコストも発生します。
取引総額が増えたからといって、同じ割合で利益が増えるわけではない。
今後は越境取引の伸びと、マーケットプレイス事業の利益率を一緒に確認したいところです。
5.メルカードは第2の利益柱になれるか?
個人的に、今回最も気になっているのが金融事業です。
メルカリはフリマアプリで多くの利用者を抱えています。
その利用者にメルカードやメルペイを使ってもらえれば、フリマの売買手数料以外にも収益を得られます。
例えばメルカードの場合、決済の利用拡大に加え、分割払いなどの与信関連サービスも収益源になります。
これは、フリマで集めた顧客との接点を金融事業に広げる戦略です。
ただし、金融事業には特有のリスクがあります。
それが貸倒れです。
カードの利用額や与信債権残高が増えても、返済が滞れば利益は圧迫されます。
まろぴーが次の決算で確認したいのは、カード発行枚数だけではありません。
金融収益の増加が、貸倒れ関連費用の増加を上回っているか。
ここが確認できれば、金融事業の利益成長をより高く評価できそうです。
6.実際に使っているメルコインは儲かる事業?
まろぴー自身、メルカリでビットコイン、イーサリアム、XRPの積立を利用しています。
使っていて感じるのは、とにかく手軽だということ。
普段使っているメルカリのアプリから暗号資産を購入できるので、専用の取引所を開設する心理的なハードルが低いんですよね。
一方で、購入価格と売却価格にはスプレッドがあります。
利用者にとってはコストになる部分ですが、運営企業にとっては収益機会になります。
この仕組みは投資家目線で見ると面白い。
ただし、暗号資産の利用者が増えることと、メルカリ全体の利益が大幅に増えることは別です。
暗号資産市場の取引量は相場環境によって大きく変動します。
メルコインは将来性のあるサービスですが、現時点ではメルカードを含む金融事業全体の利益成長を優先して評価したいと思います。
7.失敗と言われた米国事業はどうなった?
ここも今回の重要ポイント。
メルカリの米国事業は、以前から収益性の低さが問題視されていました。
国内で成功したフリマサービスを米国でも広げようとしたものの、現地にはeBayなどの競合が存在します。
ユーザー獲得やサービス運営に費用がかかり、成長と利益の両立に苦戦してきました。
しかし、現在は状況が変わりつつあります。
2026年6月期の米国事業は、流通総額が前年比11.2%増加し、黒字を確保しました。
これは評価したい変化です。
ただし、手放しでは喜べません。
米国事業は黒字化したとはいえ、利益規模はまだ小さい。
しかも競合のeBayは、取引規模でメルカリUSを大きく上回っています。
トレーディングカードなどのホビー分野でも競争があるため、今後の成長が約束されているわけではありません。
まろぴーの見方はこうです。
米国事業は「大きな赤字を生むリスク」から、「将来の利益拡大を期待できる事業」へ変化しつつある。ただし、完全復活と判断するにはまだ早い。
今後は流通総額の成長だけでなく、黒字を維持しながら利益額を増やせるかが重要になります。
8.PER17倍は本当に割安なのか?
ここで株価評価に戻ります。
10月9日の株価は3,737円。
2026年6月期の実績純利益を基準にしたPERは約17.4倍です。
年間営業利益が大きく伸びている企業として考えると、決して極端に高い評価ではありません。
ただし、成長率が低下すればPER17倍でも割安とは限らない。
そこで、将来のEPSを仮定して株価を試算してみます。
| シナリオ | 想定EPS | 想定PER | 試算株価 |
|---|---|---|---|
| 弱気 | 200円 | 15倍 | 3,000円 |
| 中立 | 240円 | 18倍 | 4,320円 |
| 強気 | 280円 | 20倍 | 5,600円 |
※EPSとPERは分析用の仮定であり、会社予想や目標株価ではありません。
強気シナリオでは5,600円という計算になります。
ただし、これはメルカリの金融事業が成長し、国内フリマが安定した利益を稼ぎ、米国事業も黒字を維持することが前提です。
反対に、金融事業の貸倒れ費用が増えたり、米国事業が再び赤字になったりすれば、利益予想を引き下げる必要があります。
重要なのは、PERが17倍だから安いと決めつけるのではなく、今後のEPSがどこまで伸びるかを考えること。
9.信用買い残と出来高にも注意
ファンダメンタルズが良くても、需給が悪ければ株価は上がりません。
10月9日の出来高は約256万株。
売買代金も約95億円あり、流動性が極端に低い銘柄ではありません。
一方、10月7日時点の信用買い残は約164万株、信用倍率は13.24倍でした。
信用買い残が多い場合、株価が反発したところで含み損を抱えた投資家の売りが出る可能性があります。
もちろん、信用倍率だけで株価の方向を予測することはできません。
それでも、現在のメルカリを短期売買するなら、株価だけでなく出来高の増減を確認したいですね。
まろぴーなら、3,500円付近の下値の強さと、3,800〜4,000円台への戻りで売り圧力が強まるかを観察します。
10.次の決算で注目したい5つの数字
次の決算では、次の5項目を重点的に確認したいと思います。
- 国内フリマの流通総額と越境取引の成長率
- メルカードの利用拡大と金融事業の利益
- 与信債権の増加に対する貸倒れ関連費用
- 米国事業のGMV成長率と黒字維持
- 2027年6月期の利益目標の修正有無
特に重要なのは、金融事業の利益拡大と、会社の利益目標を上回る可能性です。
この2つが確認できれば、現在の株価評価を見直す材料になるかもしれません。
11.まろぴーの結論:割安候補だが、まだ確認したいことがある
今回メルカリを調べて感じたのは、以前のイメージと現在の業績にかなり違いがあるということです。
米国事業は黒字化。
国内フリマは越境取引という新しい成長余地を持ち、金融事業も拡大しています。
そして年間400億円以上の営業利益を稼ぎながら、実績PERは約17倍。
ここだけを見ると、確かに魅力があります。
でも、株価が8月高値から約27%下がったことにも理由はありそうです。
市場が気にしているのは、過去の大幅増益ではなく、これからも同じように利益を伸ばせるのかという点。
まろぴーとしては、今のメルカリを「絶対に割安」と判断するより、次の決算で利益成長を確認したい監視銘柄として考えています。
金融事業が第2の利益柱として育ち、米国事業も着実に利益を増やせるなら、現在の評価は見直される可能性があります。
逆に、成長投資や貸倒れ費用が利益を圧迫するなら、今のPERにも理由がある。
メルカリの投資判断で本当に重要なのは、フリマの利用者数より、3つの事業が今後どれだけ利益を積み上げられるか。
次の決算では、そこをしっかり追いかけていきたいと思います。
参考資料
※本記事は公開情報を基にした個人的な考察であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。



コメント