こんにちは、まろぴーです🐰
三菱マテリアルを深掘りしていて、ふと思いました。
🐰「同じ非鉄なら、DOWAはどうなんだろ?」
DOWAホールディングス(5714)。
名前は知っているけど、
「結局、何で稼いでる会社?」
と聞かれると、ちょっと説明しにくい会社です。
金?
銀?
亜鉛?
リサイクル?
調べてみると、全部正解。
しかも今のDOWAには、
都市鉱山
レアアース
LIBリサイクル
電子材料
パワー半導体
まで入ってきています。
DOWA自身も、本業を「資源循環」と「優れた素材・技術の提供」と位置付けています。DOWAホールディングス
そして現在の予想PERは9倍前後。
🐰「これ、普通に安くない?」
ただ、三菱マテリアルを調べた直後だからこそ気になります。
そのPER、本当に実力ベースなの?
今回はDOWAの利益を分解してみます。
👉 関連記事:三菱マテリアル「PER4倍台」の罠?純利益1,400億円は続くのか
DOWAって何をしている会社?
DOWAには大きく5つの事業があります。
環境・リサイクル
製錬
電子材料
金属加工
熱処理
ここだけ見ると、
🐰「いろんな事業を持ってる非鉄メーカーね」
で終わってしまいます。
でもDOWAの面白さは、この5事業が一本の輪っかになっていること。

使用済み製品や廃棄物を集める。
↓
環境・リサイクル部門で処理する。
↓
製錬部門で金・銀・銅などを回収する。
↓
電子材料や金属加工で高付加価値材料にする。
↓
製品として社会に戻る。
DOWAの公式サイトを見ても、環境・リサイクルと製錬を「資源循環」、電子材料・金属加工・熱処理を「優れた素材・技術の提供」と整理しています。DOWAホールディングス
つまり、
DOWAは「掘る会社」だけじゃない。
🐰「街の中にある金属を、もう一度資源に戻す会社なんだ」
この視点がDOWAを見るうえで重要になりそうです。
ところが今期、利益がものすごい
2027年3月期1Q。
DOWAの利益が大きく伸びました。
最新の決算短信・補足資料は2026年8月7日に公表されています。DOWAホールディングス
ここだけ見ると、
🐰「めちゃくちゃ業績いいじゃん!」
となります。
でも注意したい。
今期の利益には、
金属価格
為替
在庫評価
鉱山関連収入
などの影響がかなり入っています。
つまり、
今期利益=そのままDOWAの平常時の実力
とは限らない。
ここ、三菱マテリアルとよく似ています。
三菱マテリアルとDOWAは似ている?
三菱マテリアルでは、タングステン価格上昇が利益を強烈に押し上げていました。
特に重要だったのが、
安い時期に仕入れたタングステン原料
↓
価格上昇
↓
高い販売価格で製品を販売
という構造。
ただし安値在庫は永遠には続きません。
そのため、
「今の利益がどこまで残る?」
を見る必要がありました。
DOWAも考え方は同じ。
ただし利益を押し上げているものが違います。
DOWAの場合は、
金
銀
銅
亜鉛などの金属価格
+為替
+在庫評価
+鉱山関連
など複数の要因が重なっています。
👉 関連記事:三菱マテリアルのタングステン利益を深掘り
DOWAの主役はやっぱり「製錬」
DOWAの現在の利益を見ると、特に存在感が大きいのが製錬です。
金・銀・銅・鉛・亜鉛などを扱う。
だから当然、
金属価格↑
↓
製錬利益↑
という影響を受けます。
ただ、ここで面白いのがDOWA。
単純に鉱石を買って製錬するだけではありません。
「都市鉱山」というもう一つの鉱山
スマホ。
パソコン。
電子基板。
自動車部品。
家電。
使い終わった製品にも、金・銀・銅などの金属が残っています。
つまり街の中には、
小さな鉱山が大量に眠っている。
これが「都市鉱山」。
DOWAは廃棄物処理と製錬の両方を持っているため、
集める
↓
処理する
↓
分ける
↓
金属を取り出す
までつなげられます。
🐰「ゴミだと思ってたものが、金鉱石になるわけね」
かなり乱暴に言えば、そういうことです。
資源循環という意味では三井金属ともつながる
この「採った後」「集めた後」の技術は、非鉄メーカーを見るうえでかなり重要。
南鳥島レアアースを調べたときも、
海底から採るだけでは終わらない
という話が出てきました。
採った後には、
分離
精製
素材化
が必要になります。
三井金属には、その「分ける・精製する」側の技術があります。
👉 関連記事:三井金属は南鳥島レアアース関連株?「分離・精製」の実力を徹底解説
資源株を見るとき、
「何を掘る会社?」
だけではなく、
「掘った後、誰が価値ある素材に変えるの?」
まで見ると景色が変わります。
そしてDOWAにも「レアアース」が出てきた
ここ、かなり新しい材料です。
2026年9月10日。
DOWAエコシステムによる、
「電動車駆動モーターからレアアース磁石を回収する実証事業」
が環境省の公募事業に採択されました。DOWAホールディングス
対象になるのは、電動車の駆動モーターなどに使われるレアアース磁石。
DOWAはこれまでも使用済み家電のモーターからレアアース磁石を回収する技術開発・実証を進めており、今回は対象を電動車へ広げます。DOWAホールディングス
これ、面白い。
日本がレアアースを確保する方法は、
新しい鉱山を開発する
だけではありません。
すでに日本国内に入ってきたレアアースを回収して、もう一度使う。
という方法もある。
南鳥島とはまったく違うルートから、同じ「資源安全保障」に近づいているわけです。
👉 関連記事:南鳥島レアアースは結局どうなった?採掘の現在地と関連銘柄
さらにLIBリサイクル
レアアースだけではありません。
2026年6月にはDOWAが、
使用済みリチウムイオンバッテリーからニッケル・コバルト硫酸塩を回収するプロセス
を開発したと発表しています。DOWAの2026年のニュース一覧でも6月30日の発表として確認できます。DOWAホールディングス
EVが普及する。
↓
使用済みバッテリーが増える。
↓
ニッケルやコバルトを回収する。
↓
再びバッテリー材料へ。
ここでも、
「一度使った資源をもう一度回す」
というDOWAの本業につながってきます。
でもDOWAはリサイクルだけじゃない
ここから急に半導体が出てきます。
🐰「DOWAと半導体って関係あるの?」
あります。
2026年8月25日、DOWAは大阪大学・島津製作所との共同開発で、
銅-窒化アルミニウム接合基板(Cu-AlN)
の実用化技術を確立し、サンプル出荷を開始しました。DOWAホールディングス
用途は、
パワー半導体向け放熱用絶縁基板。
ここ、かなり面白いです。
半導体が高性能になるほど「熱」が問題になる
パワー半導体では、大きな電力を扱います。
すると問題になるのが、
🔥 熱
です。
どれだけ性能のいい半導体を作っても、熱を逃がせなければ安定して使えない。
そこで必要になるのが放熱材料。
DOWAの新しいCu-AlN基板は、従来のAMB基板と比較してヒートサイクル耐久性を3倍以上向上させたと会社は説明しています。DOWAホールディングス
さらに銀を使わずに接合できるのも特徴。
現在はまだサンプル出荷と顧客評価の段階で、量産化に向けて取り組んでいるところです。DOWAホールディングス
だから、
🐰「これでDOWAの利益爆増!」
と考えるのは早い。
でも、
DOWAの将来の種
としては面白い。
DOWAの正体がだんだん見えてきた
ここまで整理すると、
最初に思っていたDOWAとかなり違います。
金・銀・銅・亜鉛
だけじゃない。
都市鉱山
レアアース磁石リサイクル
LIBリサイクル
電子材料
パワー半導体
までつながっている。
つまりDOWAには、
「市況で稼ぐDOWA」
と、
「資源循環・先端材料で成長するDOWA」
の二つの顔があります。
じゃあPER9倍前後は本当に割安?
ここで最初の疑問に戻ります。
🐰「PER9倍なら安くない?」
PERは、
株価 ÷ EPS
です。
だから利益が一時的に大きくなれば、
PERは勝手に低くなります。
たとえば利益を100とします。
株価が変わらずPER9倍だったとしても、
市況正常化で利益が70になれば、
PERは約13倍。
つまり、
株価が上がらなくてもPERは上がる。
低PER株を見るときの落とし穴です。
DOWAで本当に知りたい数字
だから、まろぴーがDOWAで知りたいのは、
「今期いくら稼ぐ?」
だけじゃありません。
むしろ、
「金・銀・銅などの市況が普通に戻ったとき、いくら稼げる?」
こっち。
製錬の市況ボーナスが縮小したあと、
環境・リサイクル
電子材料
金属加工
熱処理
がどれくらい利益を残せるのか。
ここがDOWAの適正PERを考えるうえで重要になりそうです。
三菱マテリアルとの違い
ここで2社を並べると面白い。
三菱マテリアル
タングステン高騰
↓
安値在庫の利益効果
↓
利益急増
↓
在庫効果縮小
↓
その後のタングステンリサイクルを見る
DOWA
金・銀・銅などの市況上昇
↓
製錬利益拡大
↓
市況正常化
↓
都市鉱山・環境リサイクルが下支え
↓
LIB・レアアース・半導体材料へ
同じ非鉄でも、
利益の作り方がかなり違う。
だから2社をPERだけで比べても意味がありません。
👉 関連記事:三菱マテリアル「PER4倍台」の罠?純利益1,400億円は続くのか
南鳥島シリーズともつながってくる
DOWAまで調べると、日本の資源関連株が一本の線になってきます。
東洋エンジニアリング
海底から「採る」。
岡本硝子
海底環境を「監視する」。
三井金属
資源を「分離・精製する」。
DOWA
使い終わった製品から「回収して再び資源にする」。
資源関連株って、
「レアアース価格が上がった!」
だけを見るより、
資源の一生を追った方が面白い。
👉 関連記事:三井金属は南鳥島レアアース関連株?採掘後に必要な「分離・精製」の実力を徹底解説
👉 関連記事:南鳥島レアアースは結局どうなった?採掘の現在地と関連銘柄
次の決算で見るところ🐰
次の2Q決算発表予定は2026年11月11日です。DOWAホールディングス
ここでは利益額だけではなく、
金・銀・銅・亜鉛などの市況
製錬部門の利益
在庫評価の影響
環境・リサイクル事業の利益
電子材料の伸び
Cu-AlN基板の量産化進捗
LIB・レアアースリサイクルの進捗
まで見たい。
特に、
「市況ボーナスを除いても利益が残っているか?」
ここを追います。
まとめ|DOWAは「PER9倍」より中身が面白い
最初は、
🐰「DOWAも資源高で儲かってるだけじゃない?」
と思っていました。
確かに今期は、資源価格や為替などの追い風が大きい。
だから、
PER9倍前後=即割安
とは考えません。
でも調べていくと、
都市鉱山
LIBリサイクル
レアアース磁石回収
電子材料
パワー半導体
という別の成長軸が出てきました。
DOWAは、
「資源を掘って売る会社」
というより、
「資源を集めて、分けて、素材にして、また回収する会社」
と考えた方が面白そう。
今の利益がどこまで市況ボーナスなのか。
そして、そのボーナスがなくなったあとに都市鉱山と先端材料でどれだけ利益を残せるのか。
まろぴーは、そこを追ってみたいと思います🐰



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