【テラスカイ決算】営業利益117%増の真相!受注単価上昇・内製化・AI活用で収益構造が激変?

企業深掘

こんにちは、まろぴーです🌸

今回は、2026年10月15日に発表されたテラスカイ(3915)の2027年2月期第2四半期決算を徹底分析します!

今回の決算、なかなかすごい数字が出ました。

売上高は前年同期比22.9%増。ところが、営業利益は117.3%増!

売上が約2割伸びた一方で、営業利益は2倍以上になっています。

これ、単にクラウド需要が好調だっただけでは説明できないですよね。

決算説明資料を読み込んでいくと、受注単価の上昇、プロパー社員主体への切り替え、エンジニアの稼働率改善、AI活用、製品事業の黒字転換など、複数の変化が見えてきました。

もしかするとテラスカイは、売上を増やして成長する企業から、利益率も高めながら成長する企業へ変わり始めているのかもしれません。

今回は、その可能性とリスクを数字から検証していきます!

※筆者は2026年10月15日の決算発表時点でテラスカイ株式を保有しています。本記事は公開資料に基づく個人的な分析であり、株式の購入を推奨するものではありません。保有状況は今後変わる可能性があります。


📊 1.テラスカイの上期決算!営業利益117%増の衝撃

まずは決算の全体像を確認しましょう。

項目今期上期実績前年同期比
売上高163.65億円+22.9%
営業利益13.61億円+117.3%
経常利益14.33億円+104.1%
中間純利益8.80億円+116.3%
営業利益率8.3%+3.6ポイント

売上高、営業利益ともに過去最高を更新しました。

特に注目したいのは、営業利益率です。

前年同期は4.7%でしたが、今回は8.3%。

利益率が3.6ポイントも改善しています。

売上が増えれば利益も増えるのは自然なこと。

でも、今回のテラスカイは利益の伸びが売上の伸びを大きく上回っています。

この差にこそ、今回の決算の本当の面白さがあると思います。

さらに、上期営業利益は会社の上期計画を66.5%上回りました。

なぜここまで利益が伸びたのでしょうか?

🔍 2.大型案件の増加で、受注単価が上昇!

テラスカイの主力事業は、SalesforceやAWSなどを中心としたクラウド導入・開発支援です。

企業の業務システムをクラウドへ移行したり、顧客管理システムを構築したりする仕事ですね。

今回、このソリューション事業が好調でした。

ソリューション事業前年上期今期上期
売上高123.58億円151.73億円
セグメント利益14.87億円20.44億円
セグメント利益率約12.0%約13.5%

売上高は22.8%増、セグメント利益は37.4%増。

主力事業そのものの収益性が改善しています。

会社は、Salesforce大型案件の増加やBeeXのAWSライセンス売上増加を主な増収要因として説明しています。

そして、利益率改善の説明には、さらに重要な言葉がありました。

「大型案件の増加による単価上昇」

ここです。

エンジニアを増やすだけでは利益率は上がりにくい

システム開発会社は、基本的にエンジニアの人数や稼働時間が売上に影響するビジネスです。

売上を増やすために社員を増やせば、人件費も増えます。

しかし、より高い単価で案件を受注できればどうでしょうか。

同じ人数でも、以前より多くの利益を生み出せる可能性があります。

今回のテラスカイは、大型案件の獲得によって、その方向へ進んでいると考えられます。

もちろん、大型案件は受注時期や顧客の投資判断によって変動することもあります。

重要なのは、今回の単価上昇が一時的なものなのか、今後も継続できるのか。

ここは次の決算でも確認したいポイントです。

🏗️ 3.プロパー社員主体への切り替え!外注費の抑制が利益改善に

今回の決算で、まろぴーが特に注目したのがここです。

プロパー社員主体への切り替え。

プロパー社員とは、ここでは主に自社の社員エンジニアのことです。

システム開発会社では、案件が増えると外部の協力会社に開発を委託することがあります。

外注には必要なときに人員を確保できるメリットがありますが、外注費が増えると利益率を圧迫することもあります。

テラスカイは以前から、外注費の抑制やプロパー社員主体の稼働体制への切り替えを進めてきました。

今回の決算資料でも、プロパー主体への切り替えが粗利益率改善の要因として説明されています。

つまり、今回の利益成長は、単に需要が急増した結果ではありません。

会社が以前から進めてきた収益改善策が、業績に表れ始めている可能性があるんです。

これは大きな違いだと思います。

ただし、内製化にはリスクもあります。

社員を増やせば固定費も増えるため、案件が減ったときには利益率が悪化する可能性があります。

今後も高い稼働率を維持できるかが重要ですね。

同じAI・クラウド関連企業でも、利益の生み方は違う

以前、まろぴーの株ラボではARアドバンストテクノロジ(5578)も分析しました。

こちらもクラウド導入やAI活用を手掛ける企業で、開発効率化と利益率改善が重要なテーマです。

👉 ARアドバンストテクノロジは割安すぎる?営業利益40%増の裏側とAI戦略を徹底分析

テラスカイとARアドバンでは事業構成や規模が異なりますが、共通して注目したいのは、エンジニア1人当たりの生産性をどこまで高められるかという点です。

🤖 4.AIが利益率改善の武器に!BLADEの可能性

テラスカイは、AIを活用した開発効率化にも取り組んでいます。

その一つがAI駆動開発プラットフォーム「BLADE」です。

AI関連企業というと、AIサービスを販売して売上を増やすイメージがありますよね。

でも、テラスカイの場合は少し違います。

AIを自社の開発業務に活用することで、利益率そのものを改善できる可能性があるんです。

例えば、従来100時間かかっていた開発作業をAIによって80時間で完了できれば、同じ案件でも必要な工数が減ります。

生まれた余力を別の案件に振り向けられれば、社員数を大幅に増やさなくても売上を拡大できる可能性があります。

もちろん、これは仕組みを説明するための仮定であり、テラスカイが実際に20%の工数削減を達成したという意味ではありません。

AIの効果は、まだ定量的に分けられない

今回、会社はAI活用を利益改善要因の一つに挙げています。

ただし、営業利益の増加額のうち、AIによる効果が何億円だったのかは開示されていません。

受注単価の上昇、内製化、稼働率改善、グループ再編なども同時に寄与しています。

したがって、営業利益117%増をすべてAIの成果と考えるのは早計です。

それでも、AIが将来の成長テーマであるだけでなく、現在の収益性改善にも関係しているという点は注目できます。

AI企業の利益構造を比較すると面白い

AI需要の恩恵を受ける企業でも、収益構造は大きく異なります。

例えば、ジーデップ・アドバンス(5885)は、AI開発に必要なGPUサーバーなどを提供する企業です。

👉 ジーデップ・アドバンスはAI需要で本当に儲かる?GPU価格高騰と利益率の秘密を徹底分析

ジーデップはAIを動かすインフラを提供する側。

一方、テラスカイはAIを活用してシステム開発の効率化を進める側です。

同じAI関連でも、どこで利益を生み出すのかが違うんですよね。

📈 5.四半期ごとの利益率がすごい!2Q単独で9.4%

上期累計の営業利益率は8.3%でした。

しかし、四半期ごとの数字を見ると、さらに興味深い変化があります。

項目今期1Q今期2Q
売上高79.46億円84.19億円
営業利益5.66億円7.94億円
営業利益率約7.1%約9.4%

1Qの営業利益率は約7.1%。

それが2Qには約9.4%まで上昇しました。

2Q単独の営業利益は前年同四半期比156.5%増です。

さらに、今回の決算資料では、2Qの粗利益率が前年同期から2.1ポイント改善したことも説明されています。

その背景には、大型案件による単価上昇、プロパー主体への切り替え、事業再編効果があります。

営業利益率については、広告宣伝費の売上高比率低下も寄与しました。

つまり、売上総利益率の改善だけでなく、販管費の効率化も利益率を押し上げています。

ただし、広告宣伝費の比率低下が一時的なものなら、今後は販管費率が再び上昇する可能性もあります。

利益率9.4%が今後の標準になるかどうかは、まだ見極めが必要です。

💰 6.製品事業が黒字転換!サブスク収入も増加

もう一つ重要なのが、製品事業の黒字転換です。

項目今期上期
製品事業売上高13.12億円
前年同期比+23.4%
セグメント利益+8,600万円
前年同期の損益約−8,000万円

前年の赤字から黒字に転換しました。

損益改善額は約1億6,600万円です。

テラスカイの製品事業には、mitoco関連サービス、mitoco X、SkyVisualEditorなどがあります。

特に注目したいのは、継続課金型の売上です。

製品事業のサブスクリプション売上高は、前年同期比14.6%増加しました。

ただし、サブスク売上高の構成比は91.8%から85.3%へ低下しています。

これはサブスク収入が減ったということではありません。

サブスク以外の売上が、より大きく伸びたことを示しています。

そのため、今回の黒字転換を単純に「サブスクの積み上げだけで実現した」と考えるのは適切ではありません。

大型案件や売上構成の変化も関係しています。

今後は、継続課金収入の成長と製品事業の黒字定着を確認したいところです。

💵 7.利益だけじゃない!キャッシュフローも大幅改善

利益が増えたときに確認したいのが、キャッシュフローです。

会計上の利益が増えていても、現金が十分に入ってこないケースもあります。

そこで今回のテラスカイを見てみましょう。

項目前年上期今期上期
営業キャッシュフロー7.10億円13.24億円
投資キャッシュフロー−6.29億円−6.55億円
フリーキャッシュフロー約0.80億円6.68億円

営業キャッシュフローは前年同期比で大幅に増加。

フリーキャッシュフローも大きく改善しました。

これは今回の利益成長を評価するうえで、プラス材料だと思います。

さらに、2026年8月末時点の現金及び現金同等物残高は89.40億円です。

ただし、キャッシュフローは売掛金の回収タイミングや支払時期によって変動します。

今回だけでなく、今後も継続して現金を生み出せるかが重要です。

🚀 8.コンサルティング領域への進出は次の成長エンジン?

テラスカイは、コンサルティング統括本部を新設しています。

これまでのクラウド導入・開発支援に加え、IT戦略の策定やシステム構想など、より上流の工程から顧客を支援する体制を強化しています。

これは個人的に面白い戦略だと思います。

単にシステムを開発するだけでは、価格競争に巻き込まれる可能性があります。

一方、顧客の課題整理やIT戦略の立案から関与できれば、より高い付加価値を提供できるかもしれません。

さらに、上流工程から開発・運用まで一貫して受注できれば、顧客との関係も深まりそうです。

ただし、コンサルティング統括本部の収益貢献額は、今回の資料だけでは確認できません。

今後、実際に受注単価や利益率の改善につながるかを追いかけたいところです。

📊 9.通期計画から逆算!下期の営業利益率は約6.6%でも達成可能

ここで通期計画を確認します。

項目上期実績通期計画進捗率
売上高163.65億円343.49億円47.6%
営業利益13.61億円25.41億円53.6%
経常利益14.33億円26.28億円54.5%

営業利益の進捗率は53.6%。

会社は通期計画を据え置いています。

ここで、通期計画を達成するために必要な下期の数字を逆算してみます。

下期売上高は179.84億円。

下期営業利益は11.80億円。

つまり、下期の営業利益率が約6.6%でも、通期計画を達成できる計算になります。

一方、直近2Qの営業利益率は約9.4%。

この差は気になりますよね。

ただし、会社は大型イベントや移転などの先行投資を予定しています。

また、過去の四半期別利益構成を見ると、利益が特定の四半期に偏ることもあります。

上期の好調だけで、下期も同じ利益率が続くと判断することはできません。

利益率別に通期営業利益をシミュレーション

下期売上高を179.84億円で固定した場合、利益率によって通期営業利益はどう変わるのでしょうか。

下期営業利益率下期営業利益通期営業利益
約6.6%約11.80億円約25.41億円
8.0%約14.39億円約28.00億円
9.0%約16.19億円約29.80億円
10.0%約17.98億円約31.59億円

※会社予想ではなく、まろぴー独自の試算です。下期の売上高を固定し、利益率だけを変えています。季節性や個別費用は反映していません。

この数字を見ると、今後の業績を左右するのは売上高だけではないことが分かります。

利益率がどこまで維持できるのか。

ここが重要だと思います。

⚠️ 10.好決算でも株価が上がるとは限らない

今回の決算は、事業面では強い内容でした。

ただし、株価の反応は別問題です。

好決算であっても、すでに市場が高い成長を織り込んでいれば、株価が下落する可能性もあります。

以前、まろぴーの株ラボでは、営業利益が大きく伸びたにもかかわらず、決算後のPTSで売られたVRAIN Solutionについても考察しました。

👉 VRAIN Solution決算|営業利益4.3倍なのにPTS下落!好決算でも売られる理由

業績が良いことと、株価が割安であることは同じではありません。

テラスカイについても、今回の利益成長が今後どこまで続くのか、現在の株価がその成長をどの程度織り込んでいるのかを分けて考える必要があります。

今後のリスクも整理しておきたい

大型案件の変動

大型案件が終了したり、受注時期がずれたりすれば、業績が変動する可能性があります。

人件費と稼働率

プロパー社員主体への切り替えは利益率改善につながる一方、固定費が増えるリスクもあります。

先行投資の増加

AI開発、コンサルティング体制の強化、採用などの費用が利益を圧迫する可能性があります。

AIによる価格競争

AIで開発工数が減っても、顧客から値下げを求められれば利益率改善効果は限定的になります。

AIの活用が広がるほど、競争環境そのものが変わる可能性もあります。

🌸 11.まろぴーの結論!テラスカイは高収益企業へ変わり始めている?

今回のテラスカイ決算を深掘りして、まろぴーが一番注目したのは、営業利益117%増という数字そのものではありません。

利益が増えた理由が、複数の事業改善策に支えられていることです。

大型案件の増加による受注単価上昇。

プロパー社員主体への切り替えによる外注費の抑制。

エンジニア稼働率の改善。

AI活用とグループ再編による効率化。

そして製品事業の黒字転換。

これらが重なって、今回の大幅増益につながったと考えられます。

さらに、営業キャッシュフローも改善しています。

これは単に売上が伸びているだけの企業とは違う、興味深い変化です。

ただし、ここで「テラスカイは高収益企業に変わった!」と断言するのは早いと思います。

大型案件の影響や下期の先行投資費用もあるため、今回の高い利益率がどこまで続くかはまだ分かりません。

まろぴーが今後注目したいのは、次の3つ。

① 営業利益率が高水準を維持できるか

今回の2Q営業利益率9.4%が一時的なものなのか、今後も続くのか。

② プロパー社員主体の体制で稼働率を維持できるか

外注費を抑えながら、受注拡大と高い生産性を両立できるか。

③ 製品事業の黒字が定着するか

サブスク収入の積み上げと製品事業の利益拡大が続くか。

この3つが確認できれば、今回の利益成長が一時的なものではなく、収益構造の変化によるものだという見方が強まりそうです。

テラスカイは、売上を伸ばす会社から、利益を効率よく生み出す会社へ変わり始めているのか?

今回の決算は、その可能性を感じさせる内容でした。

今後の決算も引き続き追いかけていきたいと思います!

まろぴーでした🌸


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AI関連企業の成長性や利益構造を、まろぴーの株ラボでは継続的に分析しています。

参考資料

株式会社テラスカイ「2027年2月期 第2四半期決算説明資料」(2026年10月15日)

※本記事は公開資料に基づく個人的な考察であり、将来の業績や株価上昇を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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