【決算直前】テラドローンは買える?2Qで見るべきは「赤字」より防衛事業とUTM

企業深掘

こんにちは、まろぴーです🐥

本日9月14日は、Terra Drone〈278A〉の2027年1月期第2四半期決算発表日です。

迎撃ドローン、防衛装備庁、UTM、サウジアラビア、国産バッテリー。

ここ数カ月で材料が一気に増え、株価も急上昇してきたテラドローンですが、業績はまだ赤字です。

では、今回の決算では何を確認すればいいのでしょうか。

結論からいうと、単純な売上高や赤字額だけで判断すると、見誤る可能性があります。

会社は前回の決算時点で、

第2四半期も通期予想に対する売上高の構成比は比較的小さい

と説明しています。

つまり、今回の2Qも数字だけを見れば、少し物足りなくなる可能性が最初から示されているのです。

🐥「じゃあ赤字でも問題ないの?」

何でも許されるわけではありません。

今回は、赤字の大きさとともに、その先で利益を生みそうな事業が本当に育っているかを確認する決算です。

前回1Qは増収でも赤字が拡大

2027年1月期第1四半期の連結業績は、次のとおりでした。

  • 売上高:10億1,000万円
  • 営業損失:4億3,400万円
  • 調整後営業損失:4億100万円
  • 親会社株主に帰属する純損失:2億4,900万円

前年同期と比べると、売上高は6,300万円増加。

一方で、営業損失は前年同期の2億8,300万円から4億3,400万円へ拡大しました。

売上は伸びたのに、先行投資や人員増強で赤字が広がった形です。

ただし会社は、1Qについて「期初の想定通り」と説明しています。Terra Drone「2027年1月期 第1四半期決算説明資料」

通期も赤字拡大を計画している

会社が公表している2027年1月期の通期予想は、

  • 売上高:50億7,300万円
  • 営業損失:16億5,800万円
  • 調整後営業損失:15億9,500万円
  • 親会社株主に帰属する純損失:12億6,600万円

です。

前期の売上高47億8,200万円に対し、今期は約6%の増収予想。

一方、営業損失は前期の11億4,300万円から、16億5,800万円へ拡大する計画です。

今期は「利益を出す年」ではなく、防衛・UTM・M&Aなどへ先行投資する勝負の年と位置づけられています。

そのため、今回の決算で赤字だったとしても、それだけで即ネガティブとはいえません。

大切なのは、赤字が会社の計画内に収まっているかです。

2Qの売上は大きく伸びなくても想定内?

前年同期の2Q累計実績は、

  • 売上高:19億4,300万円
  • 営業損失:6億6,600万円
  • 親会社株主に帰属する純損失:3億9,400万円

でした。

今期1Qの売上高は10億1,000万円。

会社は「2Qも通期売上に対する構成比は比較的小さい」と予告しているため、今回いきなり通期計画へ大きく近づく決算は想定しにくそうです。

前回資料の段階では、サウジアラビアの大型案件も本格的な売上計上は下半期になる見通しでした。

したがって2Qでは、

  • 売上高が前年同期を超えたか
  • 営業赤字が計画以上に膨らんでいないか
  • 通期予想を据え置ける進捗か

を確認したいところです。

仮に売上が小さくても、通期予想が据え置かれ、下半期の案件計上に具体性があれば、必ずしも悪い決算ではありません。

逆に「下半期で取り返す」という説明だけで、具体的な受注や計上時期が見えなければ注意が必要です。

注目① UTMは売上成長を続けられるか

1Qで最も成長したのは、ドローンの運航を管理するUTM事業です。

運航管理セグメントの売上高は、

  • 前年同期:6,100万円
  • 今期1Q:1億6,100万円

と、約1億円増加しました。

マレーシアでは、東南アジア初となる国家レベルのUTM案件を受注。

ベルギーのUniflyは、欧州の防衛企業MBDAとカウンタードローンプラットフォームの実装に向けた提携も進めています。

ただし、運航管理セグメントの1Q営業損失は1億9,900万円。

売上は伸びていますが、現時点では事業規模に対してコストが大きい状態です。

今回確認したいのは、

  • Uniflyの売上成長
  • 新規UTM案件の受注
  • 防衛・重要インフラ向けへの展開
  • 営業赤字の縮小時期
  • 継続課金型収益の積み上がり

です。

UTMは一度導入されると切り替えコストが高く、継続収入が期待できる事業。

ここが伸びれば、テラドローンの収益構造は大きく変わる可能性があります。

注目② サウジアラビアの4億円案件

テラドローンは、サウジアラビアで石油・ガスのパイプライン監視案件を受注しています。

受注額は約4億600万円、契約期間は1年間。

1Qのサウジアラビア売上高は、ラマダンなどの影響で前年同期の1億1,800万円から1,900万円へ減少しました。

ただし、この大型案件の本格的な立ち上がりは下半期の予定です。

今回の決算では、

  • 案件開始時期に遅れはないか
  • 下半期の売上計上見通し
  • 契約更新の可能性
  • 別エリアへの横展開
  • 屋内点検案件の獲得

を確認したいところ。

単発の4億円で終わるのか、サウジアラビアにおける継続的な事業基盤になるのかで、評価は大きく変わります。

注目③ Terra Xross 1は本当に伸びているか

屋内点検用ドローン「Terra Xross 1」は、1Qに過去最高の四半期売上を記録しました。

点検事業全体の売上高も、

  • 前年同期:1億2,500万円
  • 今期1Q:1億7,300万円

へ増加しています。

Terra Xross 1は、GPSが届きにくい屋内や狭い空間で点検できるドローンです。

工場、下水道管、プラントなど、活用できる場所は広い。

今回の決算で販売台数や売上がさらに伸びていれば、防衛材料だけに頼らない成長が確認できます。

🐥「防衛だけじゃなく、本業の点検も育ってほしい!」

ここはかなり大事です。

注目④ 防衛事業は2Q数字より今後の説明

テラドローンの株価を大きく押し上げたのは、防衛事業への期待です。

これまでに、

  • 防衛装備庁からモジュール型UAVを300式受注
  • 受注額は約1億1,500万円
  • 自律迎撃ドローン「Terra A1 Autonomous」を発表
  • 防衛装備庁の迎撃ドローン早期取得プログラムに採択
  • 同プログラムの実証試験を通過
  • ベルギー国防省向けUTM案件を受注
  • 国産ドローン用バッテリー事業へ参入

など、多くの進展がありました。

ただし、2Qの会計期間は2026年2月から7月まで。

8月25日に公表された迎撃ドローンの実証試験通過などは、今回の2Q業績には反映されません。

そのため防衛事業は、売上高よりも、

  • 実証試験通過後の受注見通し
  • 防衛装備庁への納入状況
  • 量産体制
  • 国産化率
  • 海外防衛企業との連携
  • 今期業績への上振れ余地

を確認する必要があります。

なお会社は、前回の決算時点で防衛事業の進展を通期予想へ織り込んでいないと説明していました。

新たな受注や業績寄与が示されれば、上振れ材料になりそうです。

注目⑤ 資金繰りと新株予約権

1Q末の現金及び預金は約22億5,800万円。

純資産は約46億7,200万円、自己資本比率は68.1%でした。Terra Drone「2027年1月期 第1四半期決算短信」

赤字企業としては直ちに資金が尽きる状態ではありませんが、防衛やUTMへ大規模投資を行うため、新株予約権による資金調達を実施しています。

当初想定された希薄化率は最大約9.8%。

9月7日時点では、みずほ証券に割り当てたステージ1から4までの行使が完了し、社長による固定型予約権の行使分を合わせた調達額は約119億8,400万円となりました。Terra Drone「第21回新株予約権の行使完了」

株価上昇を利用して、成長資金をかなり確保できた点はポジティブです。

一方で、新株発行による希薄化はすでに進んでいます。

決算では、

  • 調達した資金の具体的な使い道
  • 防衛事業への投資時期
  • 残る予約権の行使条件
  • M&Aの予定
  • 赤字がいつまで続くのか

を確認したいです。

最大の注意点は株価が期待を織り込んでいること

9月14日のテラドローンは、株価2万円前後、時価総額は約2,180億円の水準です。

一方、通期売上予想は約50億7,300万円。

単純計算した予想PSRは約43倍となります。

これは、現在の売上や利益ではなく、

  • 世界的なドローン需要
  • 防衛事業の急成長
  • UTMでの世界シェア
  • 大型案件の獲得
  • 将来の黒字化

をかなり先まで織り込んだ株価です。

つまり、普通に計画通りの決算では「材料出尽くし」になる可能性があります。

反対に、防衛関連の大型受注や想定を超えるUTMの成長が出れば、現在の高い評価を正当化する材料になります。

今回の決算で見るポイント

まろぴーが注目するのは、次の6項目です。

  1. 2Q累計売上高が前年同期の19億4,300万円を超えたか
  2. 営業赤字が通期計画の範囲内か
  3. UTMの売上が引き続き成長しているか
  4. サウジアラビア案件の開始時期が具体化したか
  5. Terra Xross 1の販売が伸びているか
  6. 防衛事業の受注・量産・業績寄与が示されたか

特に重要なのは、4番から6番です。

今回の表面上の決算数字が弱くても、下半期の売上につながる具体的な案件が確認できれば、評価は変わります。

一方で、防衛やUTMについて将来の市場規模だけが強調され、実際の受注額や売上計上時期が見えなければ注意が必要です。

まとめ:期待を実績へ変えられるか

テラドローンは、単なるドローン測量会社から、

  • 産業用ドローン
  • 屋内点検
  • UTM
  • 防衛ドローン
  • カウンタードローン
  • 国産バッテリー

を抱える「無人航空システム企業」へ変わろうとしています。

成長ストーリーはかなり魅力的です。

しかし、現在の株価はその期待を強く織り込んでおり、まだ営業赤字も続いています。

🐥「夢は大きい。でも株価もすでに大きい!」

今回の決算で求められるのは、夢のある説明だけではありません。

受注額、売上計上時期、量産体制、赤字縮小への道筋。

期待が少しずつ実績へ変わっているかを確認したいと思います。

📢【決算発表後の追記】

テラドローンの2027年1月期第2四半期決算が発表されました。

売上高は増加した一方で営業赤字は拡大。決算発表後のPTSでは約10%下落しています。

ただし、防衛事業の売上計上は第3四半期から始まる見込みで、会社側は通期業績が期初想定を上回るとの見通しも示しました。

決算内容とPTS下落の背景は、こちらの記事で詳しく整理しています。

▶︎ テラドローン決算でPTS約10%下落!赤字拡大より怖かった「出来高の警告」

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