生成AIの次の大きなテーマとして注目されているフィジカルAI。
AIが画面の中だけで考えるのではなく、
見る → 考える → 動く
ことで、ロボットや自動運転、工場など現実世界で仕事をするAIです🤖
でも、ロボットが人間のように器用に作業するには「見る」だけでは足りません。
必要になるのが、
触る・滑る・硬さを感じる
という「触覚」です。
そこで今回まろぴーが深掘りするのが、
NISSHA(7915)
です。
実はNISSHA、ロボットの指先などに取り付けられる薄いフィルム型の触覚センサーを開発しています。(NISSHA製品・技術情報サイト|connect.nissha.com)
「これ、フィジカルAIが本格普及したら面白いんじゃない?👀」
ということで、技術だけでなく売上・利益・PER・PBR・時価総額、そして本当に業績を変えるほどの事業になる可能性があるのかまで調べてみます。
NISSHAってどんな会社?
まず「NISSHA=ロボット会社」と思ってしまうと話を間違えます。
現在のNISSHAは大きく、
産業資材
デバイス
メディカルテクノロジー
などを展開する企業です。
2025年の事業構成は、産業資材39%、デバイス30%、メディカルテクノロジー24%など。海外売上高比率は87%に達しています。(Yahoo!ファイナンス)
もともと印刷技術を祖業としており、そこから培った印刷・成形・コーティング・センサー技術などを広げてきました。
そして今回注目する触覚センサーは、デバイス事業の技術につながっています。
まず株の基本情報をチェック📊
2026年9月18日終値ベースでは、
| 項目 | NISSHA |
|---|---|
| 証券コード | 7915 |
| 市場 | 東証プライム |
| 株価 | 1,190円 |
| 時価総額 | 約571億円 |
| 予想PER | 17.63倍 |
| PBR | 0.48倍 |
| 予想配当 | 50円 |
| 予想配当利回り | 4.20% |
| 決算期 | 12月 |
株価指標は2026年9月18日時点。(Yahoo!ファイナンス)
ここで、まろぴーがかなり気になるのが、
PBR 0.48倍
という数字。
フィジカルAIという新しいテーマだけを見るとキラキラした成長株っぽく見えますが、現在の株式市場での評価はむしろかなり違います。
つまり、
「すでにフィジカルAI期待で猛烈に買われている銘柄」ではない
というところが面白いポイントです。
ただし、PBRが低いだけで割安とは限りません。
なぜこの評価なのかを見るには、現在の業績も確認する必要があります。
NISSHAの売上と利益は?
2025年12月期の実績は、
| 2024年12月期 | 2025年12月期 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,955.98億円 | 1,948.98億円 |
| 営業利益 | 54.57億円 | 40.40億円 |
| 親会社帰属利益 | 38.51億円 | 10.01億円 |
2025年は売上高がほぼ横ばいだった一方、営業利益は26.0%減、親会社帰属利益は74.0%減となりました。(NISSHA株式会社)
これを見ると、
「PBRが低いのもなんとなく分かる…」
という感じですよね😅
ところが2026年は少し景色が変わります。
会社が2026年5月に修正した通期計画は、
売上高 1,980億円
営業利益 70億円
税引前利益 57億円
親会社帰属利益 32億円
です。(NISSHA株式会社)
営業利益で見ると、
40.4億円 → 70億円
を計画。
約73%増です。
ただしQ1は売上高457.9億円、営業利益7.5億円で、前年同期比ではそれぞれ3.5%減、47.6%減でした。会社はタブレット向け需要の大幅減少などを要因として説明しています。(NISSHA株式会社)
したがって現時点では、
会社計画は増益だけど、まだその達成過程を確認する必要がある
という位置です。
そして本題。「ロボットの皮膚」へ🤖✋
ここからが今回の記事の主役。
NISSHAが開発しているのが、
フィルム型触覚センサー
です。
人間は物を持つとき、無意識にものすごい制御をしています。
例えばイチゴを持つなら、
🍓 強すぎる → 潰れる
🍓 弱すぎる → 落とす
🍓 滑り始める → 少し握る力を強くする
こんな調整を一瞬でやっています。
ところがロボットには人間の皮膚がありません。
カメラでイチゴを見ることはできても、
「いま滑り始めた」
という感覚は視覚だけでは十分に捉えられない場合があります。
そこで触覚センサーの出番です。
NISSHAの触覚センサーは何がすごい?
NISSHAのセンサーは、
圧力+摩擦力
を検出できる3軸力覚センサーです。(NISSHA製品・技術情報サイト|connect.nissha.com)
さらに特徴的なのが形。
厚さ1mm以下。
薄く柔らかいフィルムなので、平らな場所だけでなく、
ロボットの指先
指の腹
手のひら
などの曲面にも貼り付けられます。(NISSHA製品・技術情報サイト|connect.nissha.com)
つまりイメージとしては、
ロボットに「皮膚」を貼る。
これがかなり分かりやすいと思います。
点ではなく「面」で感じられる
ここも重要です。
NISSHAはフィルム上にセンサーをマトリックス状に配置できます。
公式サイトでは3mmピッチで構成する例が紹介されており、多点を同時検出することで、圧力だけでなく摩擦力についても、
どこに
どちら向きに
どれくらい
力が加わっているかを取得できます。(NISSHA製品・技術情報サイト|connect.nissha.com)
人間の指も、
「指全体に3Nの力がかかっています」
なんて感じ方はしませんよね。
指先のどこが触れていて、どちらに滑っているかを感じます。
NISSHAのアプローチは、これをセンサーで捉えようとしているわけです。
フィジカルAIとの相性が面白い
ここからは、まろぴーの注目ポイントです👀
これまでのロボットは、
決められた物を
決められた位置から
決められた力で動かす
のが得意でした。
でもフィジカルAIが目指している世界はもっと複雑です。
例えば、
柔らかい食品
形の違う野菜
洗濯物
ケーブル
工具
壊れやすい部品
などをAIが認識して扱う。
そこで、
カメラ → 視覚
だけでなく、
触覚センサー → 触覚
が加わる。
するとAIに入ってくる現実世界の情報量が増えます。
見る+触る+考える+動く
この組み合わせになったとき、ロボットの器用さが一段変わる可能性があります。
「滑り」が分かるのはかなり重要
NISSHA自身も、触覚センサーによって把持物との摩擦力をセンシングし、適切な把持力を加えることで落下を防ぐ用途や、硬さを捉えて破損を防ぐ用途を想定しています。(NISSHA製品・技術情報サイト|connect.nissha.com)
これができれば、
「落ちそうだから少し強く握ろう」
という人間に近いフィードバック制御につながります。
さらにNISSHAは、
ねじる
押し込む
引っ張る
といった動作の大きさを測定できるとしています。(NISSHA製品・技術情報サイト|connect.nissha.com)
単純なピッキングだけではなく、組み立てや加工にも応用範囲が広がります。
NISSHAには「量産」という武器がある?
ここは個人的にかなり重要だと思っています。
どれだけ優秀なセンサーでも、
高すぎる
大量生産できない
形状を変えにくい
となると普及の壁になります。
NISSHAの触覚センサーは印刷工法で製造されており、サイズや形状のカスタマイズにも比較的容易に対応できると会社は説明しています。(NISSHA製品・技術情報サイト|connect.nissha.com)
NISSHAはそもそも、フィルムタッチセンサーなどを世界市場へ供給してきた企業です。
2024年のデバイス事業だけでも売上高675億円あり、その中には既存のフィルムタッチセンサー、ガスセンサー、フォースセンサーなどが含まれています。(NISSHA株式会社)
ここは研究開発型スタートアップとの大きな違いになり得ます。
じゃあ触覚センサーはもう大きく売れているの?
ここは冷静に見たいところ。
現時点のNISSHAの開示資料を見る限り、
触覚センサー単独の売上高は確認できません。
2024年のデバイス事業では、IT機器向けフィルムタッチセンサーが売上構成の68.8%を占め、ガスセンサー・フォースセンサーは合わせて5.0%でした。(NISSHA株式会社)
しかも、この5%すべてがロボット向け触覚センサーという意味ではありません。
つまり現状は、
「触覚センサー技術を持っている」
ことと、
「触覚センサーが会社の利益を大きく動かしている」
ことを分けて考える必要があります。
ここ、かなり大事です⚠️
逆に考えると時価総額571億円だから面白い?
ここで株の話に戻ります。
NISSHAの時価総額は約571億円。(Yahoo!ファイナンス)
年間売上高は約2,000億円規模です。
そして触覚センサーは現時点では全社業績の主役ではありません。
だからこそ今後、
ロボットメーカーへの本格採用
量産案件の獲得
フィジカルAI向け需要の拡大
フォースセンサー事業の売上拡大
などが数字として見え始めると、現在とは違う見方をされる可能性があります。
一方、採用が広がらなければ、
「面白い研究開発テーマの一つ」
で終わる可能性もあります。
テーマ株を見るとき、この差はかなり大きいです。
まろぴーが今後チェックしたいポイント🔍
NISSHAを見るなら、株価だけではなく次の変化を追いたいです。
① ロボットメーカーへの採用実績
「評価中」から「採用」「量産」へ進むか。
② フォースセンサー関連売上
現在は小さい関連事業が、独立して説明されるほど育つか。
③ 量産案件
NISSHAの印刷・フィルム製造技術が本当に量産優位性につながるか。
④ デバイス事業全体の収益性
新規事業が伸びても既存製品が縮小すれば、会社全体では成長しません。
⑤ 2026年営業利益70億円計画の進捗
まず既存事業を含めた利益回復が実現するか。(NISSHA株式会社)
ここに「触覚センサーの成長」が乗ってくるかがポイントになりそうです。
NISSHAは「フィジカルAI関連株」になれるのか?
NISSHAを調べてみると、単なる「AI」というキーワードだけの企業ではありませんでした。
実際に、
薄さ1mm以下
曲面に貼れる
XYZ方向の力を検出
多点同時測定
摩擦・滑りを検出
印刷工法による製造
という具体的な技術を持っています。(NISSHA製品・技術情報サイト|connect.nissha.com)
これはかなり面白い。
ただし現段階では、
技術の面白さ > 業績へのインパクト
というのが実態に近そうです。
だからこそ、今後見るべきなのはニュースの「フィジカルAI」という文字ではありません。
受注。採用。量産。そして売上。
ここまでつながったとき、初めてNISSHAの企業価値に与える影響を具体的に考えられるようになります。
まとめ
NISSHAは現在、約2,000億円の売上高を持つ既存事業中心の企業です。
一方、その中にまだ小さいながら、
「ロボットに触覚を与える」
というフィジカルAI時代と相性のいい技術があります。
PBR0.48倍、時価総額約571億円という現在の評価の中で、この新しい芽がどこまで育つのか。
まろぴーは今後、触覚センサーが「技術」から「業績」に変わる瞬間を追っていきたいと思います✍️
そして触覚センサーを持っている日本企業はNISSHAだけではありません。
次回はミネベアミツミの力覚センサーも深掘りして、NISSHAとは何が違うのか比較していきます🤖✨
親記事はこちら👇
「フィジカルAIの次の主役は『触覚』!?注目の日本株を探してみた」



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