PowerX(パワーエックス・485A)が、また動きました。
9月18日の終値は、
2,404円
前日比 +287円
+13.56%
出来高は1,619万株まで急増。高値は2,414円でした。(Yahoo!ファイナンス)
今回の材料はかなり分かりやすい。
ENEOS Powerが開発する大型蓄電所向けに、PowerXの蓄電システムが採用されました。
以前、株ラボではPowerXについて、
「成長期待はものすごい。でもPER200倍超って大丈夫?」
という視点から取り上げました。
今回はその続編。
あれからPowerXは、本当に業績を伴う会社へ変わり始めているのか?
最新の受注、データセンター戦略、そして現在の株価まで追ってみます🌸
ENEOS向け「109.7MWh」の大型案件
9月18日、PowerXは大和エネルギーから、ENEOS Powerが静岡市清水区で開発する特別高圧蓄電所向けの蓄電システムを受注したと発表しました。
採用されたのは、
「Mega Power 2700A」40台。
合計蓄電容量は、
109.7MWh。
一般家庭に換算すると、約1万300世帯が1日に消費する電力量に相当します。
PCS出力は50MW。
2027年1月に着工し、2028年度内の運転開始を予定しています。(PowerX, Inc.)
🌸まろぴー
「40台って、もう“蓄電池を何個か置きます”って規模じゃないね……!」
PowerXは何を作っている会社?
PowerXを簡単に言えば、
巨大な蓄電池を国内で作る会社。
主力製品の一つが「Mega Power」シリーズです。
太陽光や風力発電には、
発電量が天候に左右される
という弱点があります。
そこで、
発電量が多い
↓
蓄電池へ貯める
↓
電力が必要になったら放電
↓
電力系統を安定させる
という役割を担うのが大型蓄電池です。
PowerX自身も、
「蓄電型発電所を製作する会社」
と表現しています。(PowerX, Inc.)
再生可能エネルギーが増えれば増えるほど、電力を「貯める」重要性も大きくなります。
ただし今回のENEOS案件には重要な注意点
ここ、今回の記事で一番大事かもしれません。
9月18日に発表されたので、
「突然109.7MWhの巨大案件を獲得した!」
と見えます。
でも実際は少し違います。
PowerXはリリースの注記で、
今回の案件による売上は、8月14日に開示した決算説明資料の「2027年度の正式受注」にすでに含まれている
と明記しています。(PowerX, Inc.)
つまり、
9月18日に業績へ新しく109.7MWh分が上乗せされたわけではない。
顧客との公表合意が得られたため、今回初めて「ENEOS案件だった」と明らかになったということ。
これは結構重要です。
🌸まろぴー
「株価は+13%だけど、“業績予想に突然プラスされた大型受注”ではないんだね。」
そういうこと。
ただし逆に考えると、
すでに開示されていた正式受注の中身がENEOS Powerだった
ことが確認できたとも言えます。
受注の「質」が見えたわけです。
最近のPowerX、受注先がかなり強い
PowerXの2026年のニュースを並べると、かなり景色が変わってきています。
公式発表では、
関西電力
NTTアノードエナジー
中部電力ミライズ
三菱地所・伊藤忠商事・東京センチュリーの共同事業
上組
東急不動産・IBeeT関連案件
ENEOS Power
などに関連する採用・受注が相次いでいます。(PowerX, Inc.)
これ、前回PowerXを取り上げたときより面白くなっているところ。
PowerXは、
「将来、大型蓄電池が必要になるから伸びそう」
という段階から、
実際に大型案件を積み上げる段階
へ移りつつあります。
8月には75.2MWhの大型案件も
8月28日には、東急不動産とIBeeTが出資する宮城県の蓄電所向けに、伊藤忠商事と共同で蓄電システムを受注。
こちらも、
Mega Power 2500を30台
合計75.2MWh
という大型案件です。(PowerX, Inc.)
そして今回のENEOS案件は、
40台・109.7MWh。
単発の小さな案件を積み重ねているというより、
数十台単位の大型プロジェクトが出てきている。
ここはPowerXを見るうえで重要になってきそうです。
ついに「500台」まで生産
さらに8月24日。
PowerXは「Mega Power 2700A」の累計生産台数が500台に到達したことも発表しています。(PowerX, Inc.)
これもかなり大事。
蓄電池メーカーを見るとき、
「受注しました!」
だけでは不十分です。
受注しても、作れなければ売上になりません。
PowerXは岡山県玉野市の工場で大型蓄電システムを国内生産しています。
今回のENEOS向けMega Power 2700Aも岡山県玉野市製です。(PowerX, Inc.)
つまり、
受注
↓
生産能力
↓
納入
↓
売上
この流れが重要。
500台到達は、この中の「生産」の実績が積み上がっていることを示しています。
そしてPowerXは「AIデータセンター」にも入ってきた
ここが株ラボ的にはかなり面白い。
PowerXは現在、
データセンター市場
にもかなり力を入れています。
2026年だけでも、
2月
IIJと蓄電システム+コンテナデータセンターの協業検討
2月
量産型コンテナデータセンターを商品化
5月
データセンター向けラック型蓄電システム「PowerX Energy Blade」を発表
7月
ハイレゾとGPUデータセンター併設蓄電システムの協業検討
8月
蓄電所とデータセンターの系統接続を支援する「Grid Connector」シリーズを発表
と、かなり速いペースで動いています。(PowerX, Inc.)
なぜAIデータセンターに蓄電池?
これは以前の記事でも触れましたが、AIデータセンターはとにかく電気を使います。
GPUを大量に動かすため、
電力確保そのものがデータセンター建設のボトルネック
になり得ます。
そこで、
発電
↓
送電
↓
変圧
↓
データセンター
↓
UPS・蓄電池
↓
GPU
という巨大な電力インフラが必要になります。
詳しくはこちらでまとめています。
▶ AIで「電力株」は本当に儲かる?データセンター特需で伸びる“本当の関連株”を徹底調査
PowerXはこの中の、
「蓄電」
を取りにいこうとしているわけです。
PowerXは「蓄電池メーカー」だけじゃなくなる?
ここが今回調べていて一番気になりました。
PowerXの事業展開を見ると、
単純に、
Mega Powerを作って売る会社
だけではなくなってきています。
大型蓄電池
↓
電力サービス
↓
EV充電
↓
データセンター向け蓄電池
↓
コンテナデータセンター
↓
GPUデータセンター
↓
系統接続
と領域が広がっています。(PowerX, Inc.)
つまり狙っているのは、
「電池そのもの」ではなく、電力を貯めて必要な場所へ供給するインフラ
なのかもしれません。
ここまで来ると、AIデータセンター関連株として見られる理由も分かってきます。
じゃあ株価は安くなった?
ここから投資家目線。
9月18日の終値は、
2,404円。
予想EPSは8.80円なので、単純計算した予想PERは、
約273倍。
時価総額は、
約2,791億円。
PBRも約42.7倍です。(Yahoo!ファイナンス)
……やっぱり高い😂
🌸まろぴー
「前の記事でPER200倍超って言ってたのに、むしろ273倍になってる!」
そうなんです。
受注が増えている一方で、
株価にもかなり強い成長期待が乗っています。
だから、
「ENEOSから受注したから割安」
という話では全くありません。
でも5月の高値から見ると半値以下
一方で面白いのが株価位置。
PowerXの2026年年初来高値は、
5月11日の5,577円。
9月18日終値は2,404円なので、
高値から約57%下落した位置
です。(Yahoo!ファイナンス)
年初来安値は1月29日の612円。
つまり今年だけでも、
612円
↓
5,577円
↓
2,404円
という、とんでもない値動き。
テーマ株らしいボラティリティです。
高値5,577円のときと今は何が違う?
ここが今回の記事の核心。
株価だけ見ると、
5,577円 → 2,404円
まで大幅調整しています。
でも会社側を見ると、その間にも、
大型蓄電システムの受注
海外市場向け初受注
累計500台生産
データセンター関連製品
GPUデータセンター協業
ENEOS案件
と事業は前に進んでいます。(PowerX, Inc.)
つまり、
株価は半値以下になったけど、会社の事業まで半分になったわけではない。
ただし、これはそのまま「割安」を意味しません。
PER273倍という数字を見る限り、
現在の2,404円でも相当な成長を織り込んでいる
と考える必要があります。
PowerXを見るならPERより「利益の伸び方」
ここから先、PowerXで重要になるのはPERだけではないと思っています。
なぜなら現在の利益水準がまだ小さいため。
利益が小さい会社では、
EPSが少し増えるだけでPERが大きく下がる
ことがあります。
逆に成長が止まれば、高PERが一気に重荷になります。
だからチェックしたいのは、
受注額
売上高
粗利益率
工場稼働率
大型蓄電池の生産台数
正式受注から売上計上までの速度
このあたり。
特に大型蓄電池は、受注した瞬間に全額が売上になるわけではありません。
今回のENEOS案件も運転開始は2028年度内予定です。(PowerX, Inc.)
ここは株価と業績の時間差を意識しておきたいところです。
前回よりPowerXは面白くなった?
まろぴー的には、
会社そのものは前回より面白くなっています。
理由は単純。
以前は、
「蓄電池市場が伸びたらPowerXも伸びそう」
という期待の部分が大きかった。
今は、
大型受注が積み上がる
↓
500台まで生産
↓
大手企業との案件が増える
↓
データセンター市場へ展開
と、少しずつ具体的になっています。
一方で株価は、
PER約273倍。
まだまだ「未来をかなり先まで買っている株」であることも変わりません。(Yahoo!ファイナンス)
🌸まろぴーまとめ
PowerXを最初に調べたときは、
「すごく面白い会社だけど、このPER大丈夫?」
という印象でした。
そこから数カ月。
今回改めて調べてみると、
会社側はかなり前へ進んでいました。
ENEOS Power関連で109.7MWh。
東急不動産・IBeeT関連で75.2MWh。
Mega Power 2700Aは累計500台生産。
さらにAIデータセンター市場へ進出。 (PowerX, Inc.)
特に面白いのは、
「蓄電池メーカー」から「電力インフラ企業」へ広がろうとしていること。
一方、株価は9月18日時点で2,404円、予想PER約273倍。
年初来高値5,577円から大幅に下がったとはいえ、
決して低い評価ではありません。 (Yahoo!ファイナンス)
だから次に見たいのは株価そのものより、
大型受注がどれだけ売上と利益へ変わるか。
ここ。
PowerXが、
「期待で買われる会社」から
「数字で評価される会社」へ変われるのか。
ENEOS案件は、その答えを追いかけるうえで面白い材料になってきました🌸
▶ AIで「電力株」は本当に儲かる?データセンター特需で伸びる“本当の関連株”を徹底調査
※本記事は2026年9月19日時点の公開情報をもとに作成しています。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。



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